出版社内容情報
浮き立つような春の夜空に輝く幾千の星。そこに展開する幾多の心模様……。
夏の夜に怪しく光る赤いアンタレス。そして銀河を巡る幾多の伝説。
九十一年間、星を愛しつづけた詩人から星を愛する人達への贈り物。春・夏篇〈3月~8月〉
巻末に国立天文台副台長・渡部潤一教授監修〈星空案内〉を収録
内容説明
浮き立つような春の夜空に輝く幾千の星。夏の夜空に数多の伝説が浮かび上がる。“星の抱影”が紡ぐ星日誌3月~8月を収録。
目次
三月
四月
五月
六月
七月
八月
著者等紹介
野尻抱影[ノジリホウエイ]
1885(明治18)年、横浜生まれ。神奈川一中時代、獅子座流星群の接近以来、星の虜となる。早稲田大学英文科卒業後、教職、雑誌編集に携わる一方、天文書多数を著述。生涯を通して星空のロマンと魅力を語り続けた。冥王星の命名者としても知られ、日本における天文ファンの裾野を広げた功績は大きく、「星の抱影」と称される。小説家、大佛次郎は実弟。1977(昭和52)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aoto
2
星にまつわるコラムや雑学。その範囲が幅広く、知識量には圧巻してしまう。特に興味深いのは日本古来の星の見方である。どうしても西洋の星座で星を考えがちなのだけれど、もちろん日本独自の見方も存在している。それが興味深く語られているところが他の冊子とは違う印象を受ける。2022/06/19
篠崎
1
冥王星の名付け親・野尻抱影の星日誌。毎夜、窓辺でゆっくりと読み進めた。昭和初期の日本の夜空は今よりどれほどの星で溢れていたのだろう。そんな空を眺めながら、こうして星を思った言葉たちは本当に素敵な贈り物だった。心に残ったページは多くあるけど、特に印象的だったのは空襲の火の空でも変わりなく瞬く星に強い憤りを感じたという言葉。こんなにも星を愛する人が星を呪いたくなるような激情…その傷を癒すのもまた星であることが残酷にも美しくも感じた。まずは春夏だけを買ったけど、秋冬も読もう!2022/10/13