出版社内容情報
大正・昭和・平成・令和 4つの時代をかけぬけて――「今、生きていてよかったと、つくづく思います」。デビューまもない36歳のエッセイから、99歳の最後の対談まで。人々に希望を与え続けた、瀬戸内寂聴さんの一生を辿る決定版。
内容説明
デビューまもない36歳のエッセイから、99歳の最後の対談まで瀬戸内寂聴さんの一生を辿る決定版。
目次
1章 最近の寂庵から(99歳から次世代への遺言―対談林真理子;今に目を向ければ幸せへの入り口は見つかります―98歳、書き続けて;災害の多いこの国に生きる)
2章 恋と革命の小説家(恋愛におけるセールスマンシップ―ためらわず恋愛PR戦に打ち勝て;型やぶり愛情論―対談 岡本太郎;離婚慰謝料の経済学;東京を捨てて京都に移るの記)
3章 決意の独占手記(“佛の花嫁”になった私の真意)
4章 小説家として、僧侶として(エッセイ・評論編;対談・鼎談編)
著者等紹介
瀬戸内寂聴[セトウチジャクチョウ]
1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年「夏の終り」で女流文学賞受賞。73年、中尊寺にて得度。92年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、96年『白道』で芸術選奨文部大臣賞、2001年『場所』で野間文芸賞、11年『風景』で泉鏡花文学賞を受賞。06年に文化勲章受章。2021年11月9日、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みゃーこ
23
結婚観、恋愛観が斬新。こんな人生歩んできた人もいるのか。芯からの作家気質。ありのままの人だから面白い。それに心も澄んでいる。2023/03/27
ichi
10
【図書館本】『婦人公論』に掲載されたエッセイや対談から抜粋し、まとめたもの。巻末の秘書のまなほさんの言葉が涙をそそりました。寂聴先生いないんだよなぁ。2022/11/14
nonpono
4
「婦人公論」に掲載された文章、対談をまとめた一冊。99年かーわたしには果てしない。男の人に対して「77年まで生きると、そういう関係の人々も、みんな一足先に彼岸に渡ってしまって、もう誰も居ない。淋しいというより、すがすがしいのはどういうわけか。」煩悩の塊のようなわたしには羨ましい、突き抜けた発言。ずっと第一線にいる人の品格さえ感じる。岡本太郎、宇野千代、野田秀樹、美輪明宏などが登場する対談もすこぶる面白い。大正、昭和、平成、令和を駆け抜けた作家のエッセイ。99歳、言葉の重みや厚みをひしひしと味わえた。2023/05/10
すうさん
4
99歳で逝った寂聴さんのエッセイ。彼女のエッセイはいつも自由で大胆。また仏教が心の根本にあるとはいえ、常に教え諭す「慈」と共感して心をつなぐ「悲」の心があり聞いている人を惹きつけてやまない。個人的には本書では対談集が楽しかった。宇野千代、柳美里、野田秀樹、姜尚中、美輪明宏。どの対談も自由で気持ち良い。また巻末に寂聴の最後の秘書、瀬尾まなほが文章を書いているがそれがまた良い。激動の時代の趨勢の中でなお波乱万丈の人生を生きたが、彼女は文学者として小説で人を楽しませ、僧侶としても人を救ってきた。冥福を祈る。2022/10/12
snow
3
いままで読んだ本が宗教者としての寂聴さんの本ばかりだったので、そうではない等身大の、さまざまな年代のエッセイや対談が読めてよかった。2023/12/24