出版社内容情報
女と男、虚栄心、知性と笑い、子育て、教育……、世間の常識、風潮に物申す。今読んでも新しい、愛子節全開のスーパーエッセイ。『気がつけば、終着駅』と併せて読みたい、必携の一冊。(2020/11刊行)
内容説明
この秋、九十七歳。こんなヘンな人間でも九十七年も元気よく生き抜けるのだ。文字が大きく読みやすい。超面白スーパーエッセイが帰ってきました!!
目次
1 夢かと思えば(夢の話;怒り顔;泥棒考;思い出話;親友との会話 ほか)
2 何がおかしい(人間の自然;多民族時代;何がおかしい;山からの眺め;ノビノビとは? ほか)
著者等紹介
佐藤愛子[サトウアイコ]
1923年大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。小説家・佐藤紅緑を父に、詩人・サトウハチローを兄に持つ。69年『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞、79年『幸福の絵』で第十八回女流文学賞、2000年『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、15年『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。17年旭日小綬章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パフちゃん@かのん変更
32
佐藤愛子さん、もう100歳ちかいのに頭脳明晰でお綺麗。この本は60代頃のものをまとめたものらしい。佐藤さんのエッセイが好きなのはお上品にかっこつけないで率直で分かりやすくて描写が具体的で落ちがあって面白いこと。こんなに勇ましいのに、小さい頃は恥ずかしがり屋で挨拶もできない子だったというのが不思議だ。そしてそんな小さいころのエピソードを具体的に覚えていらっしゃるのが素晴らしい。ほんとに面白い。2021/03/04
Artemis
11
佐藤さんの日常的な出来事を通じて感じたことを綴ったエッセイ。想起された感情は綺麗な面だけでなく、ずるいところ、ズボラなところ、意地を張ってるところなど包み隠さずに綴られているので、つい笑ってしまう。こんなふうにいろんな価値観が表出することが許されて心理的安全性が確保される社会こそ多様性に富んだ豊かな社会だと思う。2023/10/10
ただぞぅ
6
人は人、自分は自分という考え方や自信を子供に植え付けるのが教育。そして劣等感のもとを排除することよりも、劣等感と戦い打ち克つことの大切さを痛感した。五色弁当(色採り華やかな弁当が情緒を養うものという)でなければ心豊かに楽しく食事できないとか、皆と同じでなければイジメの原因になるから弁当ではなく給食を推進するという考え方に違和感を感じる。ある程度の劣等感は、人が成長する過程に必要なもの。しかし教育熱心とされている人ほど劣等感のもとになるものを排除しがちだという。そんな私も無意識に排除してないか自問。2022/07/03
オカピー
5
お若いころから、こんな感じで物事をスパッと一刀両断する方かと思います。気持ちよく元気を頂きました。😊2024/09/21
まあやん
5
著者、60代の頃のエッセイ。共感するところ多し。現在、97歳くらいのはず。大好きで若い頃よく読んでました。北杜夫さん、遠藤周作さん共にエッセイしか読んでない。今度、ちゃんと小説を読んでみよう。2021/04/21