出版社内容情報
本書は、戦後の日中関係史の決定版として刊行する。最大の特徴は、日中双方の第一線の識者が共同で研究に取り組んだ点と、歴史学者と国際政治学者が連携することで、国際環境の中で日中関係を位置づけ直した点にある。
戦後の日中関係史は、中国においては公式の歴史観との距離を見定める必要が発生し、日本においてはイデオロギー対立を招く冷戦的思考を呼び覚ましやすい点で、日中間の対話はつねに難しさをはらみ、その成果物は十分とは言えない。
本書では、【戦後処理】【戦後の中国観・日本観】【戦後の「ヒト」の移動】【戦争の記憶】【戦後から国交正常化】【日中関係黄金期】【対中政策・対日政策】という重要テーマを網羅し、両国の歴史認識(の差異)を明らかにした点に刊行意義と新しさがある。
内容説明
「戦前・戦中」の何を放棄して、「戦後」をどのように積み上げたのか?両国有識者が新たな視点で日中の国家観、外交戦略、歴史認識を問い直す決定版。
目次
序章 本書で明らかにすること
第1章 戦後処理と国際秩序の再編
第2章 戦後の中国観・日本観の形成と変化
第3章 戦後の人の移動
第4章 戦争の歴史の記憶
第5章 戦後から国交正常化まで―1952‐72年
第6章 日中関係黄金期―1972‐92年
終章 総括―戦後日本の対中政策と中国の対日政策
結び
著者等紹介
波多野澄雄[ハタノスミオ]
内閣府アジア歴史資料センター長、外務省『日本外交文書』編纂委員長、筑波大学名誉教授。1947年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了、博士(法学)。防衛研究所研究員、筑波大学教授、同副学長などを経て現職
中村元哉[ナカムラモトヤ]
東京大学大学院総合文化研究科准教授、1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。南山大学外国語学部アジア学科准教授、津田塾大学学芸学部教授などを経て、2019年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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さとうしん