出版社内容情報
「クラスの大杉寧々香を殺します」
私は先生との交換日記にこう書いてみた。その時の先生の反応は?
手書きの日記で交わされる、謎&感動満載の1冊!
内容説明
さまざまな立場のふたりが紡ぐ七篇の日記が謎を呼び、そしてある真相へ繋がっていく―。
著者等紹介
辻堂ゆめ[ツジドウユメ]
1992年神奈川県生まれ。東京大学卒。第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し『いなくなった私へ』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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読書素人本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
571
王様のブランチのBOOKコーナーで紹介されたので、読みました。辻堂 ゆめ、初読です。交換日記連作短編ミステリの感動作でした。オススメは、『入院患者と見舞客』です。本作は、次の本屋大賞にノミネートされるのではないでしょうか?私自身は、今まで一度も交換日記行ったことはありませんが、デジタルな時代こそ、アナログな交換日記が新鮮かも知れません。 https://www.townnews.co.jp/0601/2020/04/17/524853.html2020/07/07
さてさて
490
全体で81回分もの『日記』が七つの短編に満遍なく散りばめられる中に展開していくこの作品。『もしかすると、交換日記というのは、ペンや鉛筆を使うことが少なくなった現代にこそ、真価を発揮するものなのかもしれません』と、まとめられる辻堂さんの『交換日記』に対する熱い思いを感じるこの作品。緻密な構成力によって数多の伏線が結末に向かって鮮やかに回収されていく様に圧倒されるこの作品。とても読みやすく書かれた物語の中に、人が人を大切に想い、お互いがお互いをいたわりあう気持ちの尊さを強く感じた、まさしく絶品だと思いました。2022/08/13
しんたろー
355
辻堂ゆめさん初読み。交流の多い読友さんたちが絶賛だったので期待値が上がって、購入して読んだが満足できた。連作短編形式の物語は、交換日記をしている人たちが一編ごとに変わりながら段々と人が繋がってゆくのが心地好い。初めて加納朋子さんを読んだ時に「ハートフルなミステリってあるんだなぁ」を思い出した。オチが読める話もあったが、人を見つめる優しい瞳を感じて温かい気持ちになれた。会話も構成も巧くて才能の高さが伺えるので、他作品も楽しみたい。それにしても、小学生時に初恋の人と交わした日記は何処に行ってしまったんだろう?2021/04/12
こなな
324
読み終わったのが電車の中だったので涙を止めることが大変だった。涙を我慢したから、鼻水が…マスクがあってよかった。1つ1つのお話に種明かしがある。真相が隠されていて、読者の私は、まんまとやられてしまった。辻堂先生天才。前向きで誠実さにあふれている。短編集かと思ったらしっかり同一世界で繋がっていた。そして1人の登場人物が複数の役をしているのだ。愛美さんが元気に幸せに人生を歩んでいた。とても誠実な旦那さんと。よかった。本当によかった。2021/06/25
ひめか*
316
今まで読んだ辻堂3作品の中で一番好き!交換日記を通して紡ぐ、それぞれの想い。短編のお話が少しずつ繋がっていく。学校に通えない患者、人を殺してやると思ってる生徒、すれ違う姉と妹、発達障害の息子と母、事故の加害者と被害者、過去にわだかまりのある同級生、秘密を抱えた夫と妻。私も幼稚園の時、優しい先生とよく手紙交換をしていたから、子供の頃が思い出されて胸がいっぱいになった。事故の話は切なくて泣きそうだった。先生が優しいから周りもみんな優しくて温かい気持ちになる。悲しいこともあるが、幸せな夫婦のラストに救われた。2023/06/29