諡(おくりな)―天皇の呼び名

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諡(おくりな)―天皇の呼び名

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  • サイズ 46判/ページ数 211p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120051944
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C0021

出版社内容情報

天皇の死後の呼び名を「諡号」という。しかし、その諡号のあり方も時代によって大きく変遷してきた。明治以降は、一世一元の制のもと、在位中の元号をもって呼ばれることになる。
本書では、中国における廟号・諡号との比較から、日本への導入、変容の過程を辿り、独自の発展を遂げた日本の諡号制の全容を明らかにする。併せて、天皇が古代から現代まで存続し得た理由についても考察する。

内容説明

天皇の死後の呼び名を「諡号」という。その諡号のあり方は、時代によって大きく変遷してきた。明治以降は、一世一元の制のもと、在位中の元号をもって呼ばれることになる。本書では、中国の廟号・諡号との比較から、日本への導入、変容の過程を辿り、日本独自の諡号のあり方を解明する。さらに、王朝交代がなく、「万世一系」とされる日本において、諡号の果たした役割、天皇が古代から現代まで存続し得た理由についても考察する。

目次

第1章 天皇家はなぜ存続してきたのか
第2章 諡号とは何か
第3章 日本の諡号の種類
第4章 日本における諡号制度の展開
第5章 諡号の変容―追号・遺諡の成立
第6章 南北朝の危機と諡号
第7章 漢風諡号の復活

著者等紹介

野村朋弘[ノムラトモヒロ]
1975年北海道生まれ。國學院大學大学院に在籍中、21世紀COEプログラムに携わる。同大学院を満期退学後に京都造形芸術大学非常勤講師や東京大学史料編纂所非常勤講師などを経て、京都造形芸術大学准教授。主な専門領域は天皇制や神社史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kokada_jnet

77
天皇の号の由来の分析という、根源的な題材なのだが、ほとんど「学問の対象」とされていなかったとのこと。鴎外に「帝諡考」という著があったそうだが、戦後には研究がされていないとある。なお、あとがきでは「ある先生から諡号の研究自体を否定され」と。また、研究の段階から評価してくれていたのが、本郷和人、小谷野敦、門田健吾の三名とも「あとがき」にはある。たしかに猫猫先生が好きそうな題材なのであった。あとがきでは「はてなキーワードの著者自身の名前」、「Wikipediaの諡の項目『追号』」についても言及されている。2022/11/25

南北

27
「天皇家がなぜ存続してきたのか」を諡号から解き明かそうとした本です。中国の祖先祭祀をもとにしながら日本独自の変化をしてきたことがわかります。ただし以下の点について記述していただきたかったと思いました。1.神武天皇から元正天皇まで淡海三船が一括撰進したとしていますが、少なくとも反正天皇はあり得ないと思います。「反正=邪」なので不興を被ることは間違いないからです。2.現在は後西天皇となっている天皇がいましたが、「西院の帝=淳和天皇」がもとになっているので、「後西院天皇」とすべきだと思います。2019/07/13

PAO

20
「天皇家にとって正当性の危機があるときに用いる諡号が「光」であったといえよう」…皇統交替の天皇である「光仁・光孝・光格」…確かに明らかな意図を感じ、特に光仁天皇には以前から感心があったので大変興味深く読みました。漠然と捉えていた諡号制について「諡号(国風・漢風)」と「追号(在所号・山稜号・加後号・新作号・元号)」があり変遷してきたことを体系的に理解できました。諡号制が天皇制存続に果たした役割は無視できず、諡号追号を通して天皇家ひいては日本の歴史を考え、時の為政者の意図を探る上でも重要な鍵になると思います。2019/06/15

軍縮地球市民shinshin

18
歴代天皇の「諡」(おくりな)に関する研究書。戦前は森鴎外を嚆矢として豊富な研究蓄積があったが、戦後は「天皇制」に対する日本史学界の反発などから研究されなかった。著者は20年ぐらい前から研究を始めたとのこと。天皇の諡は、もともとは中国の風習で皇帝の死後に送られた名前のことで生前の治績を考慮して送られたものらしい。日本では国風諡号、漢風諡号、追号の三種あり、平安後期からは追号が一般的になり江戸後期の光格天皇から漢風諡号が復活したとのこと。なかなかおもしろかった。不満は一点。著者は冒頭で「天皇制」の語源について2022/12/02

さとうしん

12
天皇の諡号制度とその変化について総覧。在所号・山陵号などの一見機械的に定められていたかのように思える追号についても、加後号や自ら追号を定める遺諡が行われるようになると、漢風諡号と同様に「評価」の要素が加わるようになったというのが面白い。「光」の付く号については、帰納的な分析だけでなく、実際にどういう意図で贈られたかを記述した文献があると議論がより確実になると思う。2019/06/12

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