出版社内容情報
犬の哲学者とは?
樽の中で暮らす。。。
ネズミに学ぶ
奴隷から哲学者に!
「ストイックに生きる」ことは、自分に厳しいだけの生き方なのだろうか?キュニコス派のディオゲネスから、ゼノンらの初期ストア派、パナイティオスらの中期ストア派、ローマ時代の後期ストア派、すなわちセネカ、エピクテトス、マルクス・アウレリウスの思想を紹介。初期、中期、後期の特徴を分析し比較し、「ストイックに生きる」という意味を探る
第一章 自然にしたがって生きよ――キュニコス派
第二章 時代が求める新しい哲学――ストア哲学の誕生
第三章 沸き立つローマの市民――ストア哲学の伝承
第四章 不遇の政治家――セネカ
第五章 奴隷の出自をもつ哲人――エピクテトス
第六章 哲人皇帝――マルクス・アウレリウス
終 章 ストイックに生きるために
國方栄二[クニカタエイジ]
著・文・その他
目次
第1章 自然にしたがって生きよ―キュニコス派
第2章 時代が求める新しい哲学―ストア哲学の誕生
第3章 沸き立つローマの市民―ストア哲学の伝承
第4章 不遇の哲学者―セネカ
第5章 奴隷の出自を持つ哲人―エピクテトス
第6章 哲人皇帝―マルクス・アウレリウス
終章 ストイックに生きるために
著者等紹介
國方栄二[クニカタエイジ]
1952年生まれ。専門は古代ギリシア哲学。京都大学大学院文学研究科博士課程修了、文学博士(京都大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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masabi
11
【概要】ストア派の前身たるキュニコス派に始まり、マルクス・アウレリウスまでのストア派の展開を解説する。【感想】樽に住み物乞いをしたディオゲネスの足るを知る在り方、外部環境に惑わされずに精神の自由のみが重要だと説いたエピクテトス、皇帝と哲学者の二重生活に苦心したマルクスと哲学者のエピソード、時代背景とともにストア派の思想を概観する。理論よりも実践を重んじ、いかに善き生・幸福を実現するかに砕心する。ストア派と現代の自己啓発、心理学の共通点を指摘する著作が出るのも納得だった。2024/01/14
Hiroo Shimoda
11
ストア派の理念が現代日本で必要とされるのは、外部環境に揺らされず、心の内側の平静を重んじるからだろう。2020/09/25
刳森伸一
5
キケロ、セネカといった有名な哲学者の書物を紐解いても、長い時間をかけて変容していったストア派の全体像を掴むことは難しいが、この本はその基礎となると思う。(私のような)一般人向けなので、専門志向の方には物足りないかもしれないが、ストア派の流れと本質部分に触れられるのは貴重だと思う。2019/04/16
黒川直弘
2
ストイックに生きるとは、痩せ我慢の生き方ではない。また諦観の哲学でもない。物事それ自体に善悪があると考えるのではなく、権外にあるものと権内にあるものを分別して、自分自身の「選択意志」によって善悪を判断していくことである。 辛い状況に置かれてしまうと、つい外部環境のせいにしたくなるが、そのこと(=事実)は変えることはできない。起きたこと、起きていることをどう捉えて、どのように生きるかは自由であると考えるのがストア派。 ストア派の考え方はある意味、実用的。何度も読み返してこの考え方を身につけたいと思う。 2022/10/02
しゅう
2
ヘレニズム期に移ってポリスの社会性を考える常識から、個人がどのようにして生きるかを重点にしている。 悪い出来事を排除するのでなく、その環境でどうあり続けるのかが大切。 初期のストア派は常に理性的に生きる事を求められるが、中期からは、人は感情に左右されやすい生き物だと考えるようになり、理性的にある存在になるまでの過程を大切にしている。2021/08/09