実証史学への道―一歴史家の回想

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  • サイズ 46判/ページ数 308p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120050992
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0021

出版社内容情報

著者は日本近現代史の研究者として、当事者へのヒアリングや一次資料を駆使して、満洲事変以降の戦争史や、慰安婦問題などの実像に迫ってきた。今年85歳を迎え、これまでの歴史家としての歩みを振り返る。読売新聞朝刊に2017年3月14日から4月26日まで連載された「時代の証言者」全31回をもとに大幅な加筆を施し、さらに巻末には旧軍人へのヒアリングの記録から、重要事項を抜粋し、見出しを付けて収録する。
ヒアリングの対象となった軍人は、鈴木貞一、今村均、橋本欣五郎、佐藤賢了、花谷正、田中隆吉、田中新一ほか34名。

秦郁彦[ハタイクヒコ]
著・文・その他

内容説明

当事者へのヒアリングや一次資料を駆使して、昭和史の隠された部分を解明してきた著者が、みずからの歴史家人生を振り返る。ヒアリングノート「旧陸海軍指導者たちの証明」を収録。

目次

1 実証史学への道(きっかけは東京裁判;大本営発表に疑問を抱く;戦前期日本の「本音と建前」 ほか)
2 歴史の観察と解釈にむけた知恵(歴史の効用;歴史より歴史家を見て;もっとも危険な職業? ほか)
3 旧陸海軍指導者たちの証言(花谷正;神田正種;田中隆吉 ほか)

著者等紹介

秦郁彦[ハタイクヒコ]
1932年(昭和7年)、山口県生まれ。現代史家(日本近現代史・軍事史)。法学博士(東京大学)。1956年、東京大学法学部卒業。同年大蔵省入省後、ハーバード大学、コロンビア大学留学、防衛庁防衛局、大蔵省財政史室長などを経て1976年に辞職。その後、プリンストン大学客員教授、拓殖大学教授、千葉大学教授、日本大学教授を歴任。1993年に第41回菊池寛賞、2014年に『明と暗のノモンハン戦史』(PHP研究所)で第68回毎日出版文化賞、2014年に第30回正論大賞を受賞

笹森春樹[ササモリハルキ]
1962年(昭和37年)、岩手県生まれ。84年、読売新聞社入社。富山支局、政治部、解説部、調査研究本部、北海道支社等を経て2015年から東京本社編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

39
秦氏の歴史探求の姿勢はすごい。一部賛成しかねる箇所(慰安婦否定や『正論』への寄稿)はあるが、事実関係にしっかりと裏をとっている。田母神俊雄の論文に真珠湾以前に米軍が日本を攻撃したとある時点で怪しい。学生時代に戦犯の取材ができたり、情報公開で個人情報が厳しくなる前に事典を作れたのはその時代に生まれた運なのかもしれない。戦跡を訪れた感想も面白い。ガダルカナル島は、果物も野菜もなく、小川に魚もない。補給をしっかりとしなければ大惨事になるのに、軍上層部はなぜきちんと調べなかったのだろうか。2021/01/27

CTC

10
7月の中公新刊。秦さんの歴史家としての歩みを語る第1章は、読売の17年3月から4月の連載(口述筆記、31回×2時間分)。第2章の歴史に向き合う姿勢についてのエッセイは書き下ろし。これに「旧陸海軍指導者たちの証言」なる34名の将・佐官(例外として菅波三郎は尉官、大橋忠一は文官)を取材したノート要約を収録。 秦さんは中1で迎えた終戦時、大本営発表と米軍発表を比較することから、近代史に入って行ったそう。東大時代には休学してA級戦犯らにヒアリングして廻り、大蔵省入省から退官まで20年(知らなかった!)公私で研究。2018/08/22

kenitirokikuti

9
図書館にて。2017年の読売新聞の連載企画「時代の証言者」シリーズを単行本化したもの▲正直なところ、私は秦郁彦、半藤一利、保坂正康らの経歴や違いをよく把握していなかったのだが、本書のおかげで認識がクリアになった▲大蔵省は日中国交正常化を受けて賠償金の額を予測した。賠償金はなしとなったもののODAが似たような数字だったとか▲日中台韓朝間の歴史認識問題ってのは、ほぼ100%中共のレディマシー問題にすぎないということがさらによく見えるようになった。習近平政権は歴史から国民党の事績を削除しようとしてるのだなァ2024/08/19

わび

3
『歴史と私』からの流れで卒読。秦氏は伊藤隆氏と同世代で、実証的立場から戦後史学と闘ってきた点もよく似ているものの、歴史家として「宮大工」を自称する矜恃と禁欲さが非常に印象に残る。少年時代から老大家となった現在まで、語られるエピソードからは氏が根っからの厳格な実証主義者だということがよく分かるが、あらゆるイデオロギー的なコミットメントを避けて実証的姿勢を貫くこと自体にもまあ政治的意図は不可避的に内在する……とわざわざ指摘するのはやや野暮か。2020/05/31

讃壽鐵朗

3
特に、731部隊と従軍慰安婦の経緯が興味を惹いた2019/12/08

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