真説 孫子

ユアン，デレク【著】〈Ｙｕｅｎ，Ｄｅｒｅｋ Ｍ．Ｃ．〉/奥山 真司【訳】

中央公論新社（2018/02発売）

• サイズ 46判／ページ数 288p／高さ 20cm
• 商品コード 9784120050473
• NDC分類 399.2
• Cコード C0031

出版社内容情報

中国圏と英語圏の解釈の相違と継承の経緯を分析し、東洋思想の系譜から陰陽論との相互関連を検証、中国戦略思想の成立と発展を読み解く。気鋭の戦略思想家が世界的名著の本質に迫る

目次
第一章　中国の戦略思想の仕組み
第二章　『孫子兵法』の始まり
第三章　孫子から老子へ：中国戦略思想の完成
第四章　孫子を読み解く
第五章　西洋における孫子の後継者たち
第六章　中国の戦略文化

デレク・ユアン［デレク・ユアン オクヤママサシ］
著・文・その他

内容説明

中国圏と英語圏の解釈の相違と継承の経緯を分析し、東洋思想の系譜からタオイズムとの相互関連を検証、中国戦略思想の成立と発展を読み解く。気鋭の戦略思想家が、世界的名著の本質に迫る。

目次

序章　西洋における孫子
第１章　中国の戦略思想の仕組み
第２章　『孫子兵法』の始まり
第３章　孫子から老子へ：中国戦略思想の完成
第４章　孫子を読み解く
第５章　西洋における孫子の後継者たち
第６章　中国の戦略文化
終章

著者等紹介

ユアン，デレク［ユアン，デレク］ ［Ｙｕｅｎ，Ｄｅｒｅｋ　Ｍ．Ｃ．］
袁彌昌。１９７８年香港生まれ。香港大学を卒業後、英国ロンドン大学経済政治学院（ＬＳＥ）で修士号。英国レディング大学でコリン・グレイに師事し、戦略学の博士号を取得（Ｐｈ．Ｄ）。香港大学講師を務めながらコメンテーターや民主化運動に取り組む。主な研究テーマは孫子の他に、老子、クラウゼヴィッツ、そして毛沢東の戦略理論

奥山真司［オクヤママサシ］
１９７２年生まれ。カナダのブリティッシュ・コロンビア大学卒業後、英国レディング大学大学院で博士号（Ｐｈ．Ｄ）を取得。戦略学博士。国際地政学研究所上席研究員、青山学院大学非常勤講師（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[スー]

167孫子の時代と孫子に影響を与えた人物や思想の解説と西洋の戦略思想との違いや西洋人に難しい陰陽についての説明がされています。新しい発見もありましたが読むのに苦労しましたね、又読み返して研究したいです。

2019/11/22

[澄]

所謂、孫子の格言集ではない。孫子の背景、莊子・タオイズムとの思想的繋がり、中国の思想と総括的な内容。とても興味ひかれる内容。中国を知るための１アイテムになり得るかも。

2018/03/31

[そんれい]

リデルハートやジョン・ボイドが、「孫子」を西洋の戦略思想に取り入れようと試みたが、中国の哲学(陰陽論と道の概念)の理解が不十分なため不完全であるとして、戦略論の進化に一石を投じるもの。「戦わずして人の兵を屈する」の理解が深まります。『孫子兵法』には、西洋にはない矛盾する事柄をありのままにとらえる思想が背景にあり、そのため、戦術的に敵を撃破して勝利すること(相手を騙す)と、大戦略的に平和を勝ち取ること(倫理道徳的)を矛盾なく包括することができるとのこと。新たな価値観に触れられた。

2019/12/25

[Ryo]

孫子関連の本は何冊か読んだ事があった。超訳・完訳などとうたったそれらの本を読んでも、何も感じるものはなかった。それでも今回孫子を手に取ったのは、oodaループの本でボイドの語る孫子にこれまでと全く違った物を感じたからだ。結果、大当たりだった。文化的影響を強く受ける戦略的な内容のものはやはりネイティヴが書いたものに限る。中国人の書く、文化的下敷きのある内容は全く違う。特に老子と尊師の関係や、中国的弁証法、西洋と中国の考え方の違いなど得るものが多かった。孫子新書10冊読むよりこっち方が断然良い。

2019/10/24

[スウィーニー校長]

★★★☆☆ 孫子の兵法等の戦略書を読んだ事がなく、中国の歴史・思想・哲学にも疎い私には難しい一冊。私の理解力不足の為★-2評価… しかしエッセンスはぼんやりと理解できたと思う。 計画を詰める事が逆に足かせになる。予め決めたパターンに固執せず、敵の行動に対処する。 という考えは中国人労働者の、ルールを勝手に自分流に変えてしまう性格を想起させる。 西洋の戦略は、軍事戦略レベル。 中国のそれは大戦略レベル、 という階層の違いも興味深い。 自軍の精神状態を高め、敵の精神状態を挫く。これ、今も日本はヤラれてるな…

2018/04/02