中公叢書<br> 真淵と宣長―「松坂の一夜」の史実と真実

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中公叢書
真淵と宣長―「松坂の一夜」の史実と真実

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  • サイズ B6判/ページ数 260p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120049484
  • NDC分類 121.52
  • Cコード C1021

出版社内容情報

二人の国学の巨人の劇的な出会いを描き、戦前の日本人にとって常識だった「松坂の一夜」。その知られざる裏面史を発掘する。

内容説明

「松坂の一夜」とは、本居宣長が賀茂真淵に出会い、古代研究の志を受け継いで国学を大成するきっかけとなる、一期一会の一夜を指す。一九一七年に佐佐木信綱が発表した同名の文章は、二人の出会いを劇的に構成した。以来、麗しい師弟関係は人の記憶に残る物語として、国語教科書などさまざまなメディアを通して流布することになった。しかしこの「美談」は、一方の当事者である真淵から見ればどのようなものであったか。あるいは別の第三者の視点で切り抜けば、どのような姿を現すのか。残された資料を読み解き、いくつもの様相を呈する「松坂の一夜」の真実を描き出す野心的な試み。

目次

第1章 思い出の真淵―本居宣長
第2章 美談の成立―佐佐木信綱
第3章 国民常識の誕生―『尋常小学国語読本』
第4章 すべては黒歴史―賀茂真淵
第5章 「松坂の一夜」の影―尾張屋太右衛門
第6章 宣長をプロデュース―柏屋兵助
第7章 「松坂の一夜」ふたたび―村田春海
第8章 限りのないデジャ・ヴュ―平田篤胤

著者等紹介

田中康二[タナカコウジ]
1965年、大阪市生まれ。94年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)(神戸大学)。現在、神戸大学大学院人文学研究科教授。専攻は日本近世文学・国学。著書に『村田春海の研究』(汲古書院、2000年、日本古典文学会賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はちめ

2
専門家のありがたさを感じる一冊。かつて有名であった「松坂の一夜」がどのように日本人に知られるようになったかなど、興味のない人にはどうでも良いことをしっかり調べて記述されている。学術的な著作であるが小説的な面白さも備えています。2017/03/30

良さん

0
戦前の教科書にも取り上げられ、美談とされた「松坂の一夜」の真実を、文献を駆使してさまざまな角度から分析する。資料の使い方は学問的だが、歴史の一場面が眼前によみがえるようで読み物としても面白い。 【心に残った言葉】本書の第一の目的は、「松坂の一夜」が説話化するメカニズムの解明である。…第二の目的は、「松坂の一夜」の物語の相対化である。(12頁)2017/07/31

onepei

0
人それぞれに真実がある、ということを一つの事例をもとに明らかにした。詐欺師もいた、というところはおもしろかった。2017/04/11

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