出版社内容情報
数々の遺跡・古墳の発掘を手がけてきた考古学界の重鎮が、戦後日本の考古学の歩みと重ねながら、自らの人生を振り返る。
内容説明
痛切な戦争体験、恩師との熱い交流、数々の発掘現場でのエピソード…。戦後派第一号として、学界の最前線に立ってきた考古学者が、自らの歩んできた道を振り返る。読売新聞「時代の証言者」に大幅加筆をほどこして書籍化。
目次
登呂遺跡―勇気くれた原点
撃沈―船底へ仲間蹴落とす
漂流―済州島で命の恩人
またもや撃沈―「負け戦だ」
上海の「高射砲」―実は丸太
玉音放送―「お袋に会える」
復員―我を忘れて喜ぶ母
二歳―黒い車で養子入り
草薙の剣の謎―夜学で知る
考古学は酒も飲まなきゃ〔ほか〕
著者等紹介
大塚初重[オオツカハツシゲ]
1926年、東京生まれ。明治大学文学部考古学専攻卒業、明治大学大学院文学研究科考古学専攻博士課程修了。文学博士。明治大学文学部長・人文科学研究所所長、日本学術会議会員、山梨県立考古博物館館長、日本考古学協会会長等を歴任。明治大学名誉教授。専門は弥生時代と古墳時代全般
鶴原徹也[ツルハラテツヤ]
1957年、東京生まれ。読売新聞東京本社編集委員。82年に読売新聞社に入社。ジャカルタ、パリ、ブリュッセル、バンコク、ロンドンにそれぞれ駐在し、国際報道を担当。2011年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CTC
8
16年中公刊。初出15年11月〜翌月の読売朝刊連載。司馬さんは『街道をゆく』の中で、考古学研究によって明らかになった豊かな古代日本像と、研究者たちの情熱の素晴らしさに度々触れている。特に印象的なのは明大考古学教室の活躍だ。戦後間もない頃、東大・京大をむこうに、私学初の考古学専攻を開設した彼らが、登呂遺跡発掘で日本を勇気づけた。こと司馬さんをして“人生劇場”と云わしめた後藤守一・杉原荘介のエピソードは人間くさくて、実証的なこの学問の魅力を直截的に伝えてくれる。本書は2人の正統的な後継者・大塚初重さんの著作。2018/06/22
Humbaba
1
人生は有限であるため、専門以外のことについては相手の言葉を信用する事が多い。だからこそ捏造は大きな問題である。例え自分は行わなくても同じ分野の人間が行えば、他の人も同様に疑いの目で見られてしまうこととなる。その世間の目を否定しても意味はなく、信用を勝ち取れるように襟を正してさらに研究に邁進する必要がある。2017/02/09
こ~じぃ。。
0
戦後派第一号考古学者の戦争体験も踏まえた生涯伝。 流し読み。2016/12/17