出版社内容情報
時は天正。本能寺の変後、天下取りにひた走る秀吉に待ったをかけた男がいた。柴田勝家を叔父に持つその名も、佐久間“鬼玄蕃”盛政!
内容説明
父は佐久間信盛の従兄弟・佐久間盛次、母は柴田勝家の姉という戦国有数のサラブレッド・佐久間盛政。その武勇から「鬼玄蕃」と怖れられた男は、敬愛する叔父・勝家に仕えながら、主君・織田信長の天下布武に献身する日々を送っていた。だが、北陸進攻中に起こった本能寺の変が、事態を一変させてしまう―。信長の死後、混乱する織田家中のなかで、一人、掌を返したように天下取りに邁進する秀吉。「柴田は、おみゃあらの踏み台じゃ。やったれや!」加藤清正、福島正則ら後世「賤ヶ岳七本槍」と呼ばれる猛将たちを先頭にして、怒濤の攻勢をかける羽柴軍の前に、ついに鬼と呼ばれた男が牙を剥いた!
著者等紹介
吉川永青[ヨシカワナガハル]
1968年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。2010年、『戯史三國志 我が糸は誰を操る』で第5回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し、デビュー。2012年、『戯史三國志 我が土は何を育む』で第33回吉専英治文学新人賞候補。2015年、『誉れの赤』で第36回吉川英治文学新人賞候補。2016年、『闘鬼 斎藤一』で第4回野村胡堂文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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巨峰
70
佐久間盛政を主人公にした賤ケ岳の戦い。この戦い世評で言われているほど秀吉が有利じゃなかったと思っていたのだけど、吉川さんの見立ても同じようで嬉しかった。(秀吉の運と前田利家の裏切りで、真の決戦が始まる前に決着が着いた感じ)佐久間盛政というのは真の武将だけど謀略家や政治家ではなかったということか。福島正則がこんだけ格好良く書かれている作品もめったにないですねwただ、賤ケ岳の戦いの全貌を詳細に描くには、このページ数ではまだ足らなかった気がする。まぁ佐久間目線が中心なので致し方ない。2017/11/18
なゆ
67
賤ヶ岳の戦いを、七本槍の羽柴軍からではなく、佐久間玄蕃允盛政から描く。本能寺の変の後、叔父の柴田勝家と共に秀吉に業を煮やし「猿を討つ!」となった盛政だが。予想外の秀吉の謀略とスピードに振り回されてる感が強い。が、運次第ではどっちに転んだか分からなかったということだろうか。秀吉みたく勢いのある人は運をも引き寄せるのかも。それぞれの武士としての生涯を全うしたという最期が読みどころ。勝家は凄まじく、鬼玄蕃は堂々と筋を通す。武士の生き様を読むのは好きだが、負けの物語はやはりもの哀しい。2020/03/18
佐治駿河
42
佐久間玄蕃(佐久間盛政)を主軸に柴田陣営側を中心として物語が展開していきます。秀吉が主宰した大徳寺での信長の葬儀ですが、作中ではこの前に柴田勝家が主宰した法要が実施されています。文献などを調べたわけではありませんので真意は定かではありませんが私は知らなかったですね。実際に柴田勝家が主宰した法要の記録が残っているのではあれば興味深い内容でした。また佐久間玄蕃もなかなか主役として語られないので、この一冊は貴重ですね。2025/03/26
ren5000
41
一応、佐久間盛政が主人公みたいな題名になってるけど、実際にはプラス秀吉と柴田勝家の話でした。秀吉と勝家はなかなかに魅力的に描かれているけど、なぜか盛政がもう一つ影が薄い??題名通りに盛政の鬼っぷりをバシッと書いて欲しかった。2017/04/25
Ever531
38
佐久間盛政(鬼玄蕃)視点。賤ヶ岳の合戦の負けた方(柴田側)からの物語は読んだこと無かったので少し新鮮でした。最後まで鬼玄蕃かっこよすぎ!逆にいい人なんやろうけど、勝家のダメダメっぷりが。。。不要っぽい、お市のお色気シーンをわざわざ出して、更にいい人だけどダメダメ勝家をプッシュ(笑)。まぁ、ダメダメと言うか古いと言うか、所詮信長あっての一武将って扱いの器で書かれてるんでしょうね~。2016/11/29
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