出版社内容情報
中国の南シナ海侵出を世界は傍観してはならない。海上の紛争防止のために秩序をつくり監視能力を備えた地域機構を今こそ創設すべきだ
内容説明
海洋での紛争をどう防止し、秩序をどう創るか。南シナ海の人工島が軍事基地化したり防空識別圏が設定されてからでは遅い。状況改善への関係諸国の信頼醸成とルール作りは必須だが、日米同盟の有用性や深化を前提にしている。
目次
安全保障と護憲論
日米安全保障条約の権利と義務における非対称性の考察
日本の国家安全保障戦略と日米同盟
アメリカのアジア戦略と中国
アメリカの海洋戦略と日米同盟
中国の海洋戦略と日米同盟
中国のA2/AD戦略の軍事的意義と日米が採るべき軍事的措置
南シナ海問題と日米同盟
ASEAN諸国の国防政策―ASEAN5とベトナム
インドの外交・安全保障政策
オーストラリアと日米同盟
韓国の海洋戦略と日韓関係
ロシアの影響圏的発想と北極・極東地域
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yo
2
日米同盟が主題に上がっているが、主に西太平洋地域における安全保障環境を総ざらいし、日本の現状を描き出すような内容。かなり包括的な内容で、執筆時(2016年初頭)の日本の安全保障環境がすごくよくわかる。関係アクターとしては日本、アメリカ、中国を中心に、ASEAN諸国、インド、オーストラリア、韓国、ロシアが登場する。ただ、結局大事なのは、「今後日本が何を目指し、そのためにどうしていくか」のはずだが、(本書に限ったことではないが)ここではそれを提示できていない。とにかく現状分析にはすごく良い1冊。2016/10/26