内容説明
統合の境界線で危機が広がるEUに未来はあるのか?拡大EUの境界線、中東欧、ウクライナと、ヨーロッパの内なる境界線、ゼノフォビア(外国人嫌い)の実情を徹底分析。
目次
第1部 ヨーロッパの分断と統合―冷戦の起源と終焉、「新たな壁」(冷戦の起源と、ヨーロッパ分断;冷戦の終焉―壁の開放、境界線の開放;新たな壁―「EUの壁」・「シェンゲンの壁」―統合の「外」に住む民族の問題)
第2部 EUの統合と境界線の拡大(「新しいヨーロッパ」―EU拡大から起こる諸問題;どこまでがヨーロッパか―拡大EUのフロンティア(境界線)―EUの国際規範と欧州公共圏)
第3部 ヨーロッパの分裂とナショナリズム―包摂か排除か―多様性の中の分裂(拡大EUにおける民主主義とナショナリズム;ユーロ危機の下での右翼の成長とゼノフォビア;拡大EUにおける境界線とシティズンシップ)
第4部 境界線をめぐる地域のナショナリズム―「地域」の揺らぎと分断(「中欧」アイデンティティの夢と現実、拡大EU・NATOのリアリティ;ウクライナ―EU・NATOとロシアのはざまで分裂する国家、せめぎ合う大国;地域と境界からなるヨーロッパ)
エピローグ EUに未来はあるか―統合と分裂、内なる境界の苦悩
著者等紹介
羽場久美子[ハバクミコ]
青山学院大学大学院国際政治経済学研究科教授。専門は、国際政治学、EU論、欧州とアジア地域統合論、冷戦史研究、グローバル化とナショナリズム、民主主義論、中・東欧史。ハーバード大学(2011‐12)、欧州大学研究所EUI(2008)、ソルボンヌ大学(2004)、ロンドン大学(1995‐96)、ハンガリー科学アカデミー歴史学研究所(1994‐95)、各客員研究員、ジャン・モネ・チェア。日本学術会議第1部会員、世界国際関係学会(ISA,USA)副会長、国際関係史学会(CHIR)理事、日本政治学会、日本国際政治学会、日本EU学会、ロシア・東欧学会、JSSEESの各理事を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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