出版社内容情報
論語の解釈は一通りではない。日本に伝わった貴重な写本を紹介しつつ、論語の多様な読み方の楽しみを説き、孔子の生涯をたどる。
内容説明
六朝時代、梁の皇侃が著した『論語義疏』は、中国では十二世紀の終わりごろに散逸してしまったが、日本に伝来し大切に保存されてきた。江戸時代に出版され、中国に逆輸入されると、彼の地の学者を驚かせたという数奇な運命をもっている。『論語義疏』は皇侃の時代までに蓄積された『論語』解釈をめぐる様々な説や、興味深い説話の宝庫である。本書では『論語義疏』を手がかりに「古典の中の古典」の豊かな内実を解き明かし、あわせて孔子の生涯を丁寧にたどってゆく。孔子とその弟子たちの生き生きとした言行録を味読するための画期的な入門書。
目次
第1部 『論語』の世界(『論語』はどのような書物か;『論語義疏』の話)
第2部 孔子の生涯(遊歴以前;孔子の三大弟子;諸国遊歴と魯への帰国;古典の整理と孔子の死)
著者等紹介
影山輝國[カゲヤマテルクニ]
1949年、東京都に生まれる。東京外国語大学外国語学部中国語学科、東京大学文学部中国哲学専修課程卒業。東京大学大学院人文科学研究科中国哲学専門課程修士課程・同博士課程、東京大学助手を経て、実践女子大学文学部教授。専門は中国古代思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さとうしん
2
皇侃の『論語義疏』を基礎とした割と珍しいアプローチの『論語』本。『論語』本も出尽くして、今後は注釈にこだわるのがトレンドになるのだろうか。しかし顔回と孔子の息子孔鯉、どちらが先に死んだのかといった本書の話題を見ていると、『論語』の内容もまだまだ突っ込めるところが残されているようだ。2016/04/13
りやう
1
私は某論語を重んじる大学の出身だが、その某大学はいろいろとカリキュラムがガバガバだったので学生時代に論語を教わったことがない。さほど興味もなかったので独学しようと思ったこともない。それにも関わらず今回論語の解説書を手に取ったのには深い理由が.....あるわけでもない。ただなんとなく読もうと思っただけ。だから難しいことはよくわからん。多少、基礎的な知識が身についた。2016/11/16
arere
0
論語義疏を知る2017/12/31
tkm66
0
「論語」「プロトタイプ儒教」「孔子」に関しての最新研究が反映。2016/05/28
FKtaro
0
孔子と論語のガイドブックみたいな感じで、面白味は皆無ですが、きっかけにはなるかなぁ。2016/07/20
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