内容説明
蝦夷に共和国を!北の大地へ。榎本総裁のもと箱館に独立を果たすも、海峡を突破し官軍が上陸。圧倒的な攻勢を前に土方は倒れ、武揚は―
著者等紹介
佐々木譲[ササキジョウ]
1950年3月北海道に生まれる。79年『鉄騎兵、跳んだ』でオール讀物新人賞受賞。90年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞を、10年『廃墟に乞う』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
61
怒涛の上・中・下巻1,150P一気読みしました!榎本武揚の物語は何冊か読んでいますが、本作のサブタイトルの通り、本作が「決定版」で良いかも知れません。榎本武揚の生き様をしかと心に刻みました。高邁な理想の蝦夷共和国が実現していたら日本の在り様も変わったのではないでしょうか?戊辰戦争はある意味で、英仏の代理戦争の面もあったんですね。2016/01/15
ヒデミン@もも
31
やっぱり官僚タイプの武揚より、土方歳三がいいな。五稜郭と言えば土方歳三のイメージだった。私が記憶していた箱館戦争と違った。もう一度新選組から読まないと。2015/12/26
ロマンチッカーnao
30
蝦夷共和国。小さくとも、存在した期間は短くとも、蝦夷共和国は北海道に存在しました。しかも本島には天皇を中心とした一君万民の自由が制限された国家が打ち立てられたころに。榎本武揚は理想を追い求めて、それを北海道に実現しました。日本の文化制度等を考えると共和制は難しいけれど、それを少なからず実現したことは偉大すぎます。感動と知的興奮に満ちた本でした。しかし、新選組副長の土方が共和制に参加していたというのは凄まじい歴史ですね。向学のためにもぜひおすすめの一冊です。2016/05/26
reo
18
この本を読むまでの榎本武揚は優柔不断。なおかつ日和見主義というところだったが、この長編を読み終えたいま清々しい気持ちでいっぱいである。著者があとがきに記しているとおり「この十数年のあいだに榎本武揚研究が進み、彼の生涯の、いわば『謎』もしくは『不透明』であった部分がかなりの程度に明らかになった。なにより、榎本武揚そのひとについての評価が変わった。こんにちでは少なくとも『二君にまみえた裏切り者』という視点から武揚が否定されることは、ほぼなくなっているのではないか」著者渾身の良書。もっとみんなに読んで欲しいね。2018/08/15
ともたか
12
「小さくても共和国だった」。2016/05/10