内容説明
母親に置き去りにされた純矢があずけられたのは、正体不明の「絵に描いたようなデブ」である歌子のもと、落ちこぼれの大人ばかりが居候するボロ家だった…。
著者等紹介
まさきとしか[マサキトシカ]
1965年東京都生まれ。北海道札幌育ち。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
120
まさきとしか・・嗚呼読み終えてタイトルが刺さる。ちょっとありえないでしょ!ってな世界。親子関係は一筋縄ではいかないものだが、これはねぇ・・(汗)これは人間の再生の話だったのかもしれないなぁと。しかし、純矢・小学5年生、これなら生きる力が養われるよね。いやいや、やっぱりなんかおかしい。純矢はどんな大人になるんだろ・・そればかりが気になっての読了だった。見方をかえると、人は誰しも『途上』なのだろう。いや、私だけか。2017/05/08
ゆみねこ
84
気の進まないサマーキャンプに無理やり送り込まれた小5の純矢が帰宅した時、母・カレンは書き置きを残し居なくなっていた。預けられたのは遠い親戚だという、万知田歌子の家。その家には年老いた歌子の母親と、居候の男が二人。何とも不思議な一年を歌子の家で過ごす純矢。でも、どの人物も共感できなくてやっと読了。カレンの思考と行動が意味不明で、こんな母親に育てられる純矢がかわいそう。タイトルのとおり、みんな途上なのかな。2017/05/22
カピバラ
47
みんな「自分はまだ本気だしてないだけだし。本気だしたら、ヤバいんだぜ」をいいそうな大人ばかりで、こんなとこにいなきゃいけない主人公をかわいそうに思った。歌子さんの真実は辛かったな。カレンが本気にムカついた。少年よ一生懸命大人になりなさい。仕返しの日を夢見て…。2014/11/29
らむり
47
期待のまさきさん作品。濃いキャラの登場人物と、暗く重めのテーマは好きだけど、物語が淡々としてて残念。2014/07/19
ナミのママ
38
母親に置き去りにされた純矢が預けられたのは、落ちこぼれの大人ばかりが居候するぼろ家だった。…小学生の男の子が主人公の話は大好きなので、これも「どんな子だろう?」と楽しみでした。大人びているようで怖がり、自分の見方でモノをみてははっきり口にする。うんうん、面白い子でした。同じ家に住む老若男女は、誰もがちょっと難ありの経歴だけど、どこにでもいるようでもある大人たちです。子供にとって家庭は一番最初に出会う「社会」だから、こういう環境で育ったら、素晴らしく豊かな大人になれそうな気がします。…にしても面白い本でした2014/10/07