出版社内容情報
作家の藤本義一氏の死因はアスベスト。本人には覚えがない。阪神大震災の被災地での吸飲か。誰にも襲いかかる恐怖の実態に迫る。
内容説明
かつて「奇跡の素材」と喧伝されたアスベスト(石綿)は、有害な「悪魔の素材」にもかかわらず、世界各国で大量使用されてきた。髪の毛の五〇〇〇分の一の微細な繊維は、吸引すると長い潜伏期間をへて中皮腫や石綿肺などの病気を引き起こすリスクがある。しかし、国は「管理して使えば安全」として十分な規制を怠ってきた。その結果、大勢の市民が犠牲となり、いまも危険にさらされ続ける。作家・藤本義一氏の中皮腫死は何を伝えるのか。大震災のがれき処理はどうだったのか。兵庫・尼崎、大阪・泉南、そして欧米、アジアなど国内外の「石綿都市」の現状は…。明日の被害を防ぐには、患者を掘り起こし、石綿が舞った過去と現在をつながなければならない。アスベスト公害はまだ終わってはいない。石綿が舞った過去と現在をつなぐ渾身のノンフィクション。
目次
第1章 作家はなぜ死んだのか
第2章 埋め込まれた「近代」
第3章 無告の民
第4章 工都の激甚
第5章 グローバル汚染
第6章 決定的な失敗
第7章 繰り返される過ち
第8章 生者のために
著者等紹介
加藤正文[カトウマサフミ]
神戸新聞経済部次長兼編集委員。1964年、兵庫県西宮市生まれ、尼崎市育ち。大阪市立大学商学部卒業。89年、神戸新聞入社。経済部、北摂総局、阪神総局などに勤務。論説委員兼編集委員をへて2011年3月から経済部次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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