死の棘・アスベスト―作家はなぜ死んだのか

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120046018
  • NDC分類 519.3
  • Cコード C0095

出版社内容情報

作家の藤本義一氏の死因はアスベスト。本人には覚えがない。阪神大震災の被災地での吸飲か。誰にも襲いかかる恐怖の実態に迫る。

内容説明

かつて「奇跡の素材」と喧伝されたアスベスト(石綿)は、有害な「悪魔の素材」にもかかわらず、世界各国で大量使用されてきた。髪の毛の五〇〇〇分の一の微細な繊維は、吸引すると長い潜伏期間をへて中皮腫や石綿肺などの病気を引き起こすリスクがある。しかし、国は「管理して使えば安全」として十分な規制を怠ってきた。その結果、大勢の市民が犠牲となり、いまも危険にさらされ続ける。作家・藤本義一氏の中皮腫死は何を伝えるのか。大震災のがれき処理はどうだったのか。兵庫・尼崎、大阪・泉南、そして欧米、アジアなど国内外の「石綿都市」の現状は…。明日の被害を防ぐには、患者を掘り起こし、石綿が舞った過去と現在をつながなければならない。アスベスト公害はまだ終わってはいない。石綿が舞った過去と現在をつなぐ渾身のノンフィクション。

目次

第1章 作家はなぜ死んだのか
第2章 埋め込まれた「近代」
第3章 無告の民
第4章 工都の激甚
第5章 グローバル汚染
第6章 決定的な失敗
第7章 繰り返される過ち
第8章 生者のために

著者等紹介

加藤正文[カトウマサフミ]
神戸新聞経済部次長兼編集委員。1964年、兵庫県西宮市生まれ、尼崎市育ち。大阪市立大学商学部卒業。89年、神戸新聞入社。経済部、北摂総局、阪神総局などに勤務。論説委員兼編集委員をへて2011年3月から経済部次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

22
藤本義一氏が石綿を吸いこんで亡くなったようだ(12頁)。ラジオではここがおかしいとか聴かせていただいたことがある。アスベストは、中皮腫や石綿肺がん、石綿肺のリスクが高まる。実に細く、直径0・02~0・03ミクロンが白石綿(22頁)。藤本氏の生活圏と堺の麻袋工場の重なりがあったとのこと(30頁)。生活環境が死因に直結するのだ。或いは、スタジオのべニアのセット取り壊しでは粉じんで真っ白になる。撮影スタジオでの吸引も考えられる(34頁)。 2014/09/18

takao

1
ふむ 2020/12/30

あきら

0
アスベストの危険性について。私も漠然としか知らなかったのだが、この本を読んでなぜアスベストが「公害」として水俣病などとともに認知されていないのか、ゾッとした。一体なんの力がかかって、ここまで被害が大きくなり、そして今日も苦しんでいる人達がいるのだろうか?「高度成長期の日本が残した後始末はいつも善良な市民が犠牲にならないといけないのか?」と言う被害者の妻。沢山の人の苦しみと叫びが書かれている。そして、この苦しみを繰り返してほしくないという願い。行政に関わっている人がこう思っていたら、公害なんてなくなるのに。2017/07/09

wankousan

0
アスベスト被害の恐ろしさが良く判った。被害を受け命を落してしまった方々、ご遺族の気持ちを思うと本当にお気の毒である。国の対応は相も変わらずいい加減で困ったものだ。2019/01/06

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