出版社内容情報
1963年、クーデター計画。2013年、首相を人質にした立てこもり事件。時空を超えたふたつの事件を繋ぐミッシングリンク「S」とは!?
内容説明
1963年、五輪前夜に人知れず計画されたクーデター。2013年、警察を翻弄する連続毒ガス事件。時空を超えたふたつの事件を繋ぐミッシングリンクは白骨死体と「S」。その正体とは!?
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年秋『8年』にて第13回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てぃも
54
やっと読み終えた…。分厚いよ…。政治に興味ないので第1章で躓く。読むの諦めて放置した。返却日が迫り慌てて読みだす。 自分でどうにかしなければ!って思って実行に移せるの凄いよねー。頭良すぎるのもダメだね。頭悪いと何していいか分からないから現状に満足して意外と幸せだったりして。色んな人がいるから面白いんだよね。2017/01/05
くぅ
45
う〜む、超大作。けれど、地味〜にフェイドアウトする幕切れという感じでなんだかスッキリとしない終わり方。時代は安保闘争の頃まで遡りテロ計画が企てられたところから話が始まる。議会制民主主義の廃止、国会議員全員即辞任、直接民主制と官僚主体の専官政治の導入などを主張した毒ガステロの話。今時の青年がこういう思想に共鳴してのめり込むことがあるだろうか?な〜んて考えてしまい現実感がない話だな…と。確かにこんだけネットが普及していると直接民主制も可能だし、国会議員を今の数雇う金額よりはるかに割安だろうなぁとは思うけど。2017/01/15
RIN
43
堂場さん新境地?警察小説の一環といえばそうなのだが、60年安保と現代を繋ぐ政治テイストの作品。設定は面白い。構成は違うが、奥田英朗さん『オリンピックの身代金』や佐々木譲さん『警官の血』と似た雰囲気。ただ・・・ひどく軽い・・・。紙数も十分なのに、ベースとなる社会状況や時代の空気感、〝大衆”の実感等々、定年間際まで大新聞の社会部記者だったとは信じられないほど、世相分析は広告代理店のように上滑りしているし事件の底流となった思想も子供っぽく、動機のリアリティを削いでいく。政治小説が昨今流行りだが向いてないのでは?2015/08/15
それいゆ
43
600ページ近いボリュームで、弁当箱のようでしたが、人間ドックでの待ち時間に一気に読了しました。私は東京オリンピックのときは中学生でしたが、当時のことを懐かしく思い出しながら読むことができました。そういえば毒ガスを入れた魔法瓶の全盛期があの頃でした。ぶ厚い本のわりには内容が薄くて、サリン事件のコピーのようで少し物足りないのですが、時空を超えた二つの事件という設定は私のお気に入りのパターンです。2013/11/13
そうたそ
39
★★★★☆ うむ、まあまあ面白い。手にとった瞬間、長い!と思ったが、内容に見合う長さではなかったかな。読んでいてふと奥田英朗さんの「オリンピックの身代金」が頭を過ったが、それと比べると本作品のスケールは劣るし、無駄に多く書き込まれているような気がした。とはいえ、色々と難をつけたものの、十分に面白い。過去の事件と現在の事件の繋がりに意外性がなく、どうせそうなんでしょという予想がつくのが残念だが、終盤の息をもつかせぬ展開にはついつい一気読みしてしまう。それだけにもっと無駄が省かれていたらと少々残念に思う。2014/07/17