内容説明
永禄4年(1561)、桶狭間の戦いから一年。信長は京にいた。将軍・足利義輝の仲立ちで、隣国・美濃の斎藤義竜と盟約を結ぶためである。幕府の実力者・松永弾正の横槍を受けながらも、盟約に執着する信長。弾正を懐柔するため、名物「平蜘蛛の茶釜」を求めて堺に赴いた信長は、熱田神宮の巫女・若菜に出会う。若菜の手には、三種の神器の一つ、日本武尊ゆかりの草薙の剣があった。尾張の一戦国大名が天下を志すまでの11日間を描く、歴史小説の意欲作。書き下ろし時代小説界の実力者の新境地。
著者等紹介
早見俊[ハヤミシュン]
1961年岐阜県岐阜市生まれ。法政大学経営学部卒。会社員の傍ら時代小説を執筆。2007年より執筆活動に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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すなどけい
5
桶狭間で今川義元を討ち取った信長。その後京に上り将軍足利義輝に美濃の斉藤義竜との盟約の仲立ちを願い出る。そこからの11日間に信長の周りで何が起き『天下布武』の決意をするに至ったのか?。草薙の剣の霊力やヤマトタケル神話、公家や対抗勢力も関わる面白い着想で描く。登場する家臣も限られていて信長と交わすやり取りも細かく描写され『信長』という存在が持つ威圧感や緊張感がそこから伝わって来て楽しめた。2017/03/24
いつでも母さん
5
なかなかの力作だったかと。ちょっと読了に時間を要した。言継は好きになれないが策士だなぁ・・若菜の最期は想像出来たが、悲しい。信長って、いろんな作品で描かれるが、『面白い』=『魅力的』なんだなぁ・・夫には選ばないが(笑)2014/10/20
東隆斎洒落
4
14.4.27◆久々の歴史小説。桶狭間で勝利した信長が、隣国美濃の斎藤義竜との盟約のため、堺を経て美濃に入る十一日間。◆名物「平蜘蛛の茶釜」や大量の「種子島銃」買付のための堺商人とのかけひきや、幕府の横槍をかわしながら進み、天下布武を決意する。。。◆三種の神器の一つ、「草薙の剣」を携えた熱田神宮の巫女と出会い、神の加護を超え自らを神格化していこうとする大きな流れの一端を垣間見ながら読了。2014/04/27
ムグムグ
2
信長が松永久秀と絡む時期は既に強大な織田軍団の覇王であり、信長が単騎で遠乗りに出掛けたり、秀吉が単身で街を探索したりと明らかにフィクション。途中でちょっと興醒め・・2014/12/30
バリバリブーン
1
美濃攻略を決意するまでの空白の11日間が題材。神仏を信じ、戦いに逡巡する信長像が新鮮でよかった。2019/03/02