内容説明
『雪国』『竜馬がゆく』から『ハムレット』まで古今東西の名作132冊を、ラストの一文から読み解く。
目次
1 青春の群像
2 女子の選択
3 男子の生き方
4 不思議な物語
5 子どもの時間
6 風土の研究
7 家族の行方
著者等紹介
斎藤美奈子[サイトウミナコ]
1956年新潟県生まれ。児童書等の編集者を経て、94年に文芸評論『妊娠小説』でデビュー。以後、各紙誌で文芸評論や書評を執筆。2002年『文章読本さん江』で、第1回小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
136
ネタバレを隠すというよりも最後の最後まで読者を引っ張っていきたいのでしょうが、この作者と同様に私も最初の何章かを読んで最後の数章を読んでしまいます。気が短くなったのでしょうね。このような読み方をしていくと筆者がどのようにして結末まで引っ張っていくのかという楽しみができます。私は無理にこのような読み方をしなくてもひとそれぞれの読み方でいいとは思います。2019/10/13
なる
67
漱石、鴎外、三島からヘッセ、カフカ、テグジュペリ等々…国内外を問わず様々な小説の「最後の一文」を紹介するという、なかなかアイデアにあふれた本。冒頭の一文は知っていても最後の一文は確かに印象に薄いことがあるなあ。とはいいながらも各作品を解説しながらしっかりと冒頭の一文も添えているあたりは親切なのかひねくれているのか。ともあれ、100を越える作品の解説はなかなか労力が必要だと思うし、やっぱり解説を読んでいると興味を持つ作品もたくさん出てくる。既存の作品でも見方が変わってくるし。2020/09/29
いちろく
55
国内外の近代文学や戦後の名作のラスト一文に注目して紹介している本書。ネタバレだらけなのに、ネタバレとは思えない。それは、ラストの一文をお尻と表記し「お尻がわかったくらいで興味が半減する本など、最初からたいした価値はないのである。」と書き切る著者の力量が為せる業。既読の作品に関しては新しい知見をくれ、未読の作品に関しては読みたいと好奇心をくれる、理想の本紹介とも思えた。個人的には、国木田独歩の武蔵野の紹介が特に印象に残った。読友さんのつぶやきとコメントで気になっていた一冊。とてもユニークな本だった。 2018/08/11
ユウユウ
55
途中うたた寝してしまったけど、読みたい本は増えたぞ。結末知っても色褪せない作品、むしろ興味をそそられる。いわゆる名作はつい敷居が高い気がして二の足を踏んでしまいますが、こうやって適度に「ネタバレ」されることで興味がそそられました。2017/03/17
あやの
49
名作の冒頭部は有名なものが多いが、逆に最後の1文に注目するという読み方が斬新で面白かった。冒頭と比較して読むのも良い!小説は、登場人物が最後にどのように変化するかが肝だと思うから。更に、物語の終わり方の工夫も推測できて興味深い。余韻を感じるものとか、唐突な終わり方とか。何より、古今東西の名作をこんなにたくさん紹介してくれるのが嬉しい。読んだものもあったけど、8割以上読んでないと思う笑。改めて、読みたい気持ちが湧いてくる!2024/09/22
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