内容説明
一九九三年、鮮やかな夕陽が空を染める夏。突如放たれた銃弾が、将来への希望に満ちた青年の命を奪った。犯人は極誠会組員の山川遼。中国人マフィアの殺害に失敗し、一般人を巻き添えにした遼は組を破門となり、長期刑務所で服役することになる…。壊れゆく被害者・加害者の家族。自らの罪と向き合うこともなく、無反省な日々を過ごす遼。だが、獄中で「超人」と畏怖される男との出会いが、遼の魂を大きく揺さぶる―。無期懲役囚が描く、衝撃の物語。
著者等紹介
美達大和[ミタツヤマト]
1959年生まれ。無期懲役囚。現在、刑期10年以上かつ犯罪傾向の進んだ者のみが収容される「LB級刑務所」で仮釈放を放棄して服役中。罪状は2件の殺人。多数の著書を出している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひろ☆
18
うっかり一般人を殺してしまったヤクザ見習いが、自分も同じ立場になって、 ようやく気づく。って短絡的だろう。 ただ、殺人を犯して、何十年と刑務所にいても、その場だけ上辺の反省をしたふりの人も多いんだろうな。 人を殺すことによって、自分はいいとしても、自分の家族の人生はもちろん、 被害者の家族の人生も狂わすことになるのは、考えなきゃいけない。そこまで深く考えていたら、しないだろうけども。2015/02/14
スイカマン
1
他の本で作者を知り、他にも本を書いていないか探したところ、この本と出会いました。無期懲役囚という非常に限られた環境と立場であるのに、主人公、主人公の家族、被害者家族の心情、行動、周囲の世界を緻密に丁寧に書かれています。非常に良かったです。2024/03/02
Jun Masuno
1
無期囚の美達さん作品を読む ご自身の考えが存分に投影されていると思う物語 罪を服役することと、犯した罪は等価では無い 他、色々と考えさせられる作品 いずれにしろ、獣で無く人間として様々なことに思いをはせながら生き続けていく、日々に流されるだけで無く、相手を想い、考えることを改めて学びました2020/06/22
rakim rakim
1
★★★★★ 私が読んできた本の中でも一番響いた本かもしれないです。2019/09/07
bibliotecario
1
刑務所の中での執筆は制約も大きいでしょうが見事です。2016/02/15
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