内容説明
政治を動かすのは、人間か、あるいは制度か。本書では、近代・現代の日本の政治を題材にした七本の論文により、政治家や官僚や知識人や運動家が、それぞれに政治を生きた、その姿を説きあかした。政党政治、リーダーシップ、メディア、地方政治、司法活動、社会運動、防衛政策と、現在の政治を論じるさいの重要論点がひと通りそろっている。
目次
政治家の「実像」追求と指導力
小泉純一郎の時代―歴史と個性の政治学試論
民主党代表と政策の変容―政権交代までの「迷走」の軌跡
東京都性論―あるいは人間不在の都政
橘孝三郎とその時代
「部分社会」と「象牙の塔」―三淵忠彦と田中耕太郎
未完の対論―坂本義和・高坂正堯論争を読む
著者等紹介
飯尾潤[イイオジュン]
政策研究大学院大学教授。専攻・政治学、現代日本政治論。1962年神戸市生。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)
苅部直[カルベタダシ]
東京大学大学院法学政治学研究科教授。専攻・日本政治思想史。1965年東京都生。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)
牧原出[マキハライズル]
東北大学大学院法学研究科教授。専攻・行政学。1967年愛知県生。東京大学法学部卒。東京大学法学部助手を経て、現職。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
16
皇宮警察本部は、国の警察庁の附属機関で、職員はすべて国家公務員(145頁)。坂本義和先生は、核兵器登場で、戦争手段そのものが目的を無意味化した以上、軍事均衡のみで平和確保する発想は限界がある。が、日米安保に対抗し、中立主義も戦争像と防衛構想をもち、中立的な諸国の部隊から成る国連警察軍の日本駐留を提案(254頁)。2014/11/30
Haruka Fukuhara
6
帝都東京ブラックアウト計画「私の観る処では、世の中は物質文明に走り、都会中心の為め農村が疲弊して居るのであるから、農民が立って其中心地なる帝都を襲撃するのだと云うことを世人に知らせる必要があり、夫れには不夜城を誇る帝都を二、三時間暗黒にし、帝都の人心を混乱状態に陥れるのが一番効果的で而も被害が少ないと考えました」(橘孝三郎)2017/04/26
メルセ・ひすい
2
15 とりあえ 今政治を語り、考えるにはどうすればよいのか。政治家・官僚・財界人など公人に、その生き様を語ってもらう「オーラル・ヒストリー」を手がけてきた政治学者が、この問いに取り組んだ書。2012/05/28
Hisashi Tokunaga
1
面白い。牧原はしがきで御厨ファミリーの香りがするなと思ったら、あとがきで苅部は「この本は御厨貴さんの還暦と東京大学ご退職を記念して企画された・・」とある。御厨への餞別金捻出事業出版なのかぁ?現代政治学者のイースタンリーグオールスター選手勢揃い。冗談はさておき、表紙裏カバーに「・・重要論点がひととおりそろっている。日本政治の一種の教科書としてもおすおすめである。」はセールストークだ。牧原の「部分社会」と「象牙の塔」はこうした司法領域の政治過程を照射する論文のモデルになるか?東京都性論の後半ややヒステリック。2013/11/26
nekokone
1
前半3章のみは必読2012/09/10