• ポイントキャンペーン

母の遺産―新聞小説

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 524p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120043475
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

家の中は綿埃だらけで、洗濯物も溜まりに溜まり、生え際に出てきた白髪をヘナで染める時間もなく、もう疲労で朦朧として生きているのに母は死なない。若い女と同棲している夫がいて、その夫とのことを考えねばならないのに、母は死なない。ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?親の介護、姉妹の確執…離婚を迷う女は一人旅へ。『本格小説』『日本語が亡びるとき』の著者が、自身の体験を交えて描く待望の最新長篇。

著者等紹介

水村美苗[ミズムラミナエ]
東京都に生まれる。父親の仕事の関係で十二歳の時に渡米。イェール大学および大学院で仏文学を専攻。創作の傍らしばらくプリンストン大学などで日本近代文学を教える。1990年『續明暗』で芸術選奨新人賞、1995年『私小説from left to right』で野間文芸新人賞、2002年『本格小説』で読売文学賞。2009年には『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で』で小林秀雄賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 3件/全3件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

70
新聞小説という副題には新聞に連載されてという以上の意味があるのでしょうか?母親とそれをめぐる姉妹の心情などを書きつづったものですが、女性向きの小説なのでしょうね。新聞小説のように様々な身近の事件などを入れていて飽きさせないようにしていると感じます。私はあまりのめりこめなかった気がします。2015/05/28

chichichi

69
母親の老いていく姿を見るのは辛い。そして介護をするのは更に辛いし言葉には表せないほど大変なんだろう。「どんなにいい母親をもとうと、数多くの娘には、その母親の死を願う瞬間ぐらいは訪れるのではないか」という文章を読んで、今はそんなのありえないけど、そう遠くはない未来には必ずやってくる問題なんだろうかと少し怖くなる。また、「金か愛か」を「貧乏か夫か」と表現して冷静に考える女性達、すごいわぁ。勉強になります。これが役立つ日は来て欲しくないけど笑。2015/07/07

みんと

69
衝撃的だった。 母の死を願う中年の姉妹に非難の感情を持つどころか、二人の感情に少しだけ共感してしまっている自分がいることに。 姉は既婚で病弱、妹はキャリアウーマンで夫との中も冷えきっている。 自分の生活をこなしていくだけで精一杯な人がほとんどだと思う。 だけど、生活の半分以上に年老いた親が関わってくる時がいつかは来る。 そんな時、どれだけの人が順応していけるのだろうか。 そして、もっと怖ろしいのが、自分が年老いて不自由になった時である。2013/11/28

ナミのママ

62
【家族週間@月イチ】初読みの作家さん。母が死んだところから始まる物語、主人公は私と年齢が近く、出てくる土地も育った場所に近い。懐かしい生活様式や、当時の女性の生き方など、思わずひきこまれてしまいました。が、それは前半まで。後半になり祖母の成育になったところから、時代ものが苦手なので一気に興味が薄れてしまいました。読み終わってみれば、若くに母を亡くし、姉妹もいない私とは無縁の話。あぁ、こういう時代だったのね、の感想しか持てず・・・。どうも私は女性作家が苦手、他人の家庭をのぞき見てもあまり面白く感じずでした。2016/08/22

団塊シニア

59
母からの脱出の物語、一見何の不自由もない生活を送る50代女性、満たされない心、母の介護につかれ、夫の裏切りにも離婚を切り出せない主人公美津紀。表現豊かで一気に読める作品です。2012/05/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4728642
  • ご注意事項