内容説明
身近な物質の化学的な働きが、東西交易、産業革命、公衆衛生、戦争と平和、男女の役割、法律、環境など、人類の発展のさまざまな局面で果たした重要な役割を、豊富なエピソードを交えて分かりやすく解説。文明の発達を理解するための独創的なアプローチにして、化学構造式の読み方も身につくユニークな世界史。
目次
胡椒、ナツメグ、クローブ―大航海時代を開いた分子
アスコルビン酸―オーストラリアがポルトガル語にならなかったわけ
グルコース―アメリカ奴隷制を生んだ甘い味
セルロース―産業革命を起こした綿繊維
ニトロ化合物―国を破壊し山を動かす爆薬
シルクとナイロン―無上の交易品とその合成代用品
フェノール―医療現場の革命とプラスチックの時代
イソプレン―社会を根底から変えた奇妙な物質
染料―近代化学工業を生んだ華やかな分子
医学の革命―アスピリン、サルファ剤、ペニシリン
避妊薬(ピル)―女性の社会進出を後押しした錠剤
魔術の分子―幻想と悲劇を生んだ天然毒
モルヒネ、ニコチン、カフェイン―アヘン戦争と三つの快楽分子
オレイン酸―黄金の液体は西欧文明の神話的日常品
塩―社会の仕組みを形作った人類の必須サプリメント
有機塩素化合物―便利と快適を求めた代償
マラリアvs.人類―キニーネ、DDT、変異ヘモグロビン
著者等紹介
ルクーター,ペニー・キャメロン[ルクーター,ペニーキャメロン][Le Couteur,Penny Cameron]
カナダ、ブリティッシュコロンビア州キャピラノ大学化学科教授。30年以上にわたる教授職の間、化学科と基礎・応用科学科の学科長を歴任。カナダの大学の化学教育に優れた業績を上げたことでポリサー賞を受賞。インドネシア東部の大学における化学教育についてアドバイザーも務めた。ニュージーランド生まれ、北バンクーバー在住
バーレサン,ジェイ[バーレサン,ジェイ][Burreson,Jay]
長年企業の化学研究者として働いたあと、NIH(アメリカ国立衛生研究所)の奨学金を得てハワイ大学で海洋天然物の研究に従事。現在はハイテク企業で部長職に就いている。オレゴン州コーバリス在住
小林力[コバヤシツトム]
医薬史研究家。1956年長野県生まれ。東京大学薬学部卒、同大学院修了。薬学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
KAZOO
太田青磁
tama
Mzo
-
- 和書
- 乃木希典全集 〈下〉