内容説明
三十歳代で壮大な夢をヒマラヤに懸け、山奥に三ツ星クラスのホテルをつくり、七十歳代でネパール国土開発党の党首になり、人生そのものを冒険的に生きる山男。登山作家がネパールの政治、歴史、探検史も含めて描いた、夢を追い続ける男の物語。同時に、ヒマラヤ五十年の物語でもある。
目次
第1章 ネパール制憲議会補欠選挙
第2章 回想の山々
第3章 ネパールに生きる
第4章 起業家としての闘い
第5章 生と死の狭間で
第6章 改革の理想を掲げて
第7章 見果てぬ夢
第8章 終わりなき挑戦
著者等紹介
根深誠[ネブカマコト]
1947年青森県弘前市に生まれる。明治大学山岳部OB。日本山岳会会員。1973年以来、ヒマラヤに通い続ける。77年ヒマール・チュリ、81年エヴェレスト、ともに失敗。84年にはアラスカ・マッキンリーで行方不明になった先輩仲間の植村直己さんの捜索に参加。88年シャハーン・ドク初登頂。92年、日本人僧侶河口慧海のチベット潜入経路を調査。2004年、ヒマラヤ奥地ツァルカ村に3年がかりで鉄橋を架設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
3
ふむ2022/08/19
unpyou
2
近所のネパール料理店が美味しく、お店の人の善男善女ぶりも含めて大好きなのだが、それきっかけでほとんど知らないネパールという国の現状に興味を持った。この書はネパールの国政を変えるため、日本国籍を捨てネパール人となり国政選挙に打って出た日本人、宮原巍氏の伝記。前半のホテル建設までの半生を綴るあたりは宮原巍自体にさほど興味ない自分にはじれったい感もあったが、援助というものが対象国のために本当になってるのか?という問いなど印象深い。終盤、当事者の目線から描かれるネパール政治の現状は、地政学的観点含め勉強になった。2017/09/23
どんぐり
1
読んで面白い本ではない。ヒマラヤやネパールに関心のある人にはいいかもしれないが、予備知識もなく読み続けるには、忍耐がいる。2011/12/03
渓流
1
宮原の自伝「ヒマラヤの灯」と併せて読み、彼の人となりがなんとなくつかめた。本書のタイトルになっているドンキホーテ、頷ける。ただ、あそこまで夢を追える人生に、呆れつつ共感するところ大。国立公園内に民間企業のホテルがなぜ建っているのか、疑問に思いつつトレッキングしていたが、その経緯が分かり、溜飲がさがった。ここまでが私が本書を読もうと思った動機で、後のネパールの政治状況や彼の選挙活動の部分は、興味薄し。でも、やらずには居れない彼の心情は察して余りある。2011/02/21
しっかりけちべえ
0
「あなたを幸せにする」というプロボーズの決まり文句に対する違和感は、「恵まれない人を助ける」という慈善事業の精神にも。幸福や成長は与えられるものではなく、自ら獲得するもの。民間の寄付に依存するNGOの活動、国連又はJICAなどの公的資金に頼る公共事業、いずれも当事者が置き去りにされがち。 そうは言っても現地人に意欲が感じられない。政治の腐敗が諸悪の根源なのかもしれない。そうだとしたら政治家になるしかないが、志半ば。 その行動力には脱帽するが、思考の偏りが余計な摩擦と自己矛盾を生んでいるような。 2015/12/21




