項羽

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  • サイズ B6判/ページ数 357p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120041198
  • NDC分類 289.2
  • Cコード C0022

内容説明

七十余戦無敗の英雄は、なぜ、ただ一度の敗北によってすべてを失うことになったのか。勝者によって書き換えられた史書の虚構と、楚の民衆が語り継いだ項羽神話の真実。

目次

序章 史実の虚構
第1章 西風の季節の終焉
第2章 生い立ち
第3章 項梁楚軍から懐王楚国へ
第4章 項羽集団の勢力構成
第5章 鉅鹿の戦いと項羽政権の成立
第6章 劉邦の降伏と項羽の十八王分封
第7章 彭城大戦から〓(えい)陽包囲戦へ
第8章 〓(えい)陽の攻防―四面楚歌の劉邦
第9章 陳下の戦い―四面斉歌の項羽
終章 神話の真実

著者等紹介

佐竹靖彦[サタケヤスヒコ]
1939年、大阪府に生まれる。62年、京都大学卒業。文学博士。岡山大学講師を経て、東京都立大学助教授、教授、名誉教授。この間、プリンストン大学、コロンビア大学、パリ第7大学訪問教授。ニューヨーク市立大学、首都師範大学交換教授。北京大学客員教授、清華大学(新竹)講座教授。国際学術雑誌『中国史学』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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佐藤丈宗

3
項羽と劉邦の抗争は「楚と漢の戦い」と称されることが多いが、実態は「楚と秦の戦い」という認識は、劉邦の皇帝即位後の状勢まで考えれば説得力があり全く同感。気になるのは同じ史料でも項羽不利の記述を徹底的に批判している一方で、項羽有利の記述は「信憑性が高い」と評価するような感じがあり、史料解釈に恣意性があったり、人口、兵員、行軍距離の推測根拠があまり実証的ではない点があること。ただ、少ない史料の中で敗者の歴史を再検討することの難しさを感じられる労作であることは間違いない。2018/04/10

韓信

1
『劉邦』の姉妹編というべき項羽評伝。前著同様、辛徳勇の学説の承認(垓下の戦い=陳下の戦い説等)、史記のソースである『楚漢春秋』と、さらに劉邦の正統性を強調するため操作された『漢書』の史料批判を通じて、項羽の実像とその伝説に迫る力作。劉邦以上に史料が少ないため相変わらず強引な推論もあるが、それ以上に興味深い指摘多数で面白い。特に呉芮以外にも項梁・項羽集団の幹部(范増、黥布、周殷ら)たちが呉楚国境で軍事的に成長してきた少数民族出身とみなす説は、農牧接壌地帯が華北を動かすエネルギーを生んだとする学説に似ている。2022/05/30

DEN2RO

0
敗者項羽の事績は、勝者劉邦を祖とする漢帝国によって書き換えられたという視点から、真実はどうであったかということを丹念にたどってゆきます。その中から、中国の歴史を東西の軸から南北の軸へと大転換させた楚人の力と意志と感情が浮かび上がり、項羽神話の意味が説き明かされます。2010/12/18

GEO(ジオ)

0
『劉邦』もなかなかよかったが、こちらも面白かった。藤田和久の『項羽と劉邦の時代』とか、堀敏一の『漢の劉邦』などと一緒に読むとよいかもしれない。2010/12/09

TOH

0
実は途中ですが、メモとして。2024/02/27

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