内容説明
凛としたたたずまい。「椅りかからず」に生きた女流詩人の生涯。初の本格評伝。
目次
第1章 椅りかからず
第2章 花の名
第3章 母の家
第4章 根府川の海
第5章 汲む
第6章 櫂
第7章 Y
第8章 六月
第9章 一億二心
第10章 歳月
第11章 ハングルへの旅
第12章 品格
第13章 行方不明の時間
著者等紹介
後藤正治[ゴトウマサハル]
1946年京都市生まれ。京都大学農学部卒業。ノンフィクション作家。『遠いリング』で講談社ノンフィクション賞、『リターンマッチ』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蘭奢待
43
理由も忘れたが何気なく手に取った詩集。読むともなしにパラパラみているうちに詩の世界に没入。心にズドンと入ってくるわかりやすい詩に感動を受けた。そんな茨木のり子の評伝。谷川俊太郎評によると、最後の詩集「歳月」は一味違うらしい。積ん読本に収録されている。近々読んでみたい。2019/09/29
ふう
26
若い頃繰り返し読んだ詩のあれこれを、茨木のり子さんの生涯を追いかけながら再読して、その時代背景を知って味わうことができてよかった。2023/07/30
シュシュ
25
茨木さんは筋金入りの凛とした人だ。この人を知ることができてよかった。詩『知らないことが』を繰り返し読んで読むたびに泣けた。60年安保の時にデモに参加していたことを初めて知った。「(1960年6月4日)その日、一人でも入れるデモを探そうと思った。…プロデューサーと別れて私はまた「声なき声の会」の列に戻った。警官の前を通るときは、うっかりすると押し返されるのでしっかりスクラムを組んだ。まったくこれも私にとっては画期的なことだった。夫以外の見も知らぬ男性と腕を組むなどということは!」→2015/10/27
アリ子
23
茨木のり子の詩は、詩が苦手だと思っていた私にも分かりやすくて、力強く説得力があって引き込まる。この本には、そんな詩から抱いていたイメージとは少し違った彼女のことが、色々な側面から書かれていた。生きざまを見習うのは難しいけど、こんなふうに死ねたらと思う。2014/05/26
KAZOO
20
後藤正治さんのノンフィクションは好きで昔様々な分野のものを読ませてもらいました。その後藤さんが、茨木のり子さんの伝記を書いていたとは知りませんでした。岩波ジュニア新書にある茨木さんの詩を何度愛読したことか。その生涯を淡々とつづってくれる後藤さんの筆力も見事です。いい本でもう一度よみたくなりました。2014/05/26