出版社内容情報
国内外の第一級研究家による記念的シンポジウムの記録。吉田茂が目指した「安全」と「繁栄」の道筋が、現代の日本に与えるヒントは。
内容説明
終戦後に吉田茂が目指した「安全」と「繁栄」の道筋、その思索の跡を辿ることは、いまの日本に、どんなヒントをあたえ得るか―アメリカ、中国の研究者を含む新たな吉田茂の評価。
目次
第1部 歴史としての吉田時代
第2部 いま、吉田茂に学ぶもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バルジ
3
吉田茂の没後30年・40年シンポジウムを纏めた1冊。各登壇者が平易かつ新鮮な視点で「吉田茂」を語り尽くしているので、その文量に比して非常に充実した読後感を得られる。吉田茂の残した「吉田路線」は戦後日本の基軸となったが、それらがいかに国際環境に適合し吉田茂の強烈なパーソナリティの産物であったかがよくわかる。国際協調主義華やぐ一方でひとりの明治人な思考法を身に着けていた吉田茂のこの背反するような性向は敗戦後の日本に絶妙にマッチする。その揺るぎない愛国心と国際協調主義のバランスは吉田だからこそであろう。2025/03/12