出版社内容情報
お市の方を母に持つ美貌の三姉妹の末娘・小督。信長ゆずりの烈しさを秘めた少女は、秀吉の養女となり、徳川へ嫁ぎ、嵐を生きる!…
内容説明
仲を裂かれた最初の夫への思慕、養父・秀吉への怨み、長姉・淀殿との訣別を胸に、ついには将軍の御台所にまで上り詰めた小督だったが…女性の視点で描く新しい歴史小説。
著者等紹介
諸田玲子[モロタレイコ]
1954年静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。96年『眩惑』でデビュー。2003年『其の一日』で吉川英治文学新人賞を、07年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さなごん
23
たまたま「清須会議」の次に手に取ったら、つながってた。この時代、大名の娘はこんな感じなのか。例えはよくないかもしれないが、乳牛みたい。そんな時代、生き抜いた女性の話。女には女の戦があったんだねえ。2016/08/03
めぐみこ
4
浅井三姉妹以外にもたくさん出てくる女性達がみな個性的で魅力的。時代に流されるままでなく、さりとて常に正面から抗うのでもなく、まさに柳のようにしなやかでしたたかな生き様に目が離せなかった。鮮烈なガラシャも印象的だが、なぜだか摩阿がお気に入り。なんか現代っ子ぽくて心に残った。2011/01/17
むつぞー
4
由緒ある血と天下人の養女、そして美貌ゆえに政治的に利用される小督。彼女の波乱の人生を堪能させていただきました。描かれる心情も自然でとても読みやすいです。2008/10/26
としえ
3
再読にもかかわらず、人物関係の把握がいまいちできず読むのに時間がかかってしまった。信長、秀吉、家康と覇者が次々と変わっていくなか、翻弄される女達。「生きるということは戦うということ」「子を成し、家を守るのが女の戦い」主人公の小督の目を通して、この時代に生きた女たちの様々な形の『いくさ』が書かれている。考え方、生き方はそれぞれだが、この時代の人はみんな強いと思う。土田御前の「強いとは我を張ることではなく、己を曲げることだ」という言葉どおり、悲しみや葛藤を乗り越え生き抜く様に、頭の下がる思いだ。2012/12/16
ごま
3
登場する女たちのなんと逞しいことか。しなやかにしたたかに。大きな時代のうねりと、人の思惑に翻弄され引き裂かれる一方で、その流れの中でも己の戦をしつづける姿が凛々しく見惚れた。もう、とにかく女たちがカッコイイんだ。儚い世の中で、転んでもただでは起きないところとか、嘆くのではなく挑むところとか。女が守るものを心に決め、腹をくくった時、ここまで美しく凛々しく強くしなやかに戦えるのだと様々な女たちの立ち姿から教えられるようだった。2011/01/03