出版社内容情報
太平洋戦争開戦時、日本は対米開戦通告の手交前に真珠湾を奇襲し、「騙し討ち」の汚名を浴びた。遅れた真因はどこにあったのか。
内容説明
はたして「騙し討ち」だったのか!対米通告は真珠湾攻撃以後の手交だった。奇襲開始の三十分前にアメリカに通告する予定はどこで狂ったか?そして、この通告書はなぜ留め置かれたのか。
目次
第1部 日米開戦 アメリカから帰国―大使館とホテルでの抑留生活、日米交換船による帰国(日米開戦の日のワシントン;共同抑留生活 ほか)
第2部 対米英戦への背景(日米の対立はどうして激化したか;日米開戦の動機と目的 ほか)
第3部 開戦交渉前夜(さまざまな対日陰謀説;日米国交調整交渉、対日経済制裁、首脳会談流産 ほか)
第4部 対米最後通告の性格と最終覚書の手交遅延の解明―手交遅延はルーズベルトの天皇宛て親電が惹起(開戦通告か交渉打ち切り通告か;対米最終覚書をめぐる日米の誤解と主張の対立 ほか)
第5部 最終的考察(対米通告の遅延責任;開戦責任 ほか)
著者等紹介
井口武夫[イグチタケオ]
尚美学園大学名誉教授。1930年中国・上海生まれ。53年東京大学法学部卒業後、外務省入省。オクスフォード大学修士。国連参事官、ニュージーランド大使などを歴任し、93年退官。東海大学教授、尚美学園大学教授を務める。専攻は外交史、国際海洋法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
勝浩1958
19
著者は「ハル・ノート」は、アメリカの要求を拒否すれば対日開戦すると明示した文面ではなく、交渉のための文書だったから、国際法でいう「最後通牒」とはいえないと主張している。いっぽう、渡辺惣樹氏の一連の著作で、「ハル・ノート」はアメリカ議会には知らせずに、ルーズベルト大統領が日本から戦争を行わせるために仕掛けた罠であり、実質的な最期通牒と結論づけている。両氏の意見はまったく正反対である。フーバー大統領の残した「裏切られた自由」を読んで、自分なりにどちらの意見に説得力があるのか確認しようと思う。2017/10/28
Hiroki Nishizumi
3
一大使館の怠慢で歴史が動いたわけでは無いようだ。戦さには陰謀が渦巻くことがよく分かる。しかし文章が冗長で読みにくかった。2017/10/13
Cana.t.kazu
1
通説の否定はもう少し勉強してみようと思いました。 部下を犠牲にしていく部分は現在の日本社会にも共通の問題点。 本の構成としては著者のお父様との関係があるので第一部をカットするか,もっと後半に持ってくれば情報の部分がすんなり入ってくるかなとは思いました。 2021/10/12
ELW
0
ローズヴェルトの親電に対する回答のニュアンスを対米最終通告に盛り込むために遅れたことと、奇襲を確実なものとするために、最終部分の発電が遅延させられたことが原因で、在米大使館の怠慢だないことが分かった。 『日本海軍400時間の証言』と同じく、上層部の責任逃れを末端に負わせる ひどい話だと思う。『日本の近代 5 政党から軍部へ―1924~1941』を読んでおいて良かった。 2014/12/25
ken ken
0
開戦直前の日本側外務省と在米日本大使館VS米国国務省やル-ズベルト大統領との駆け引きが詳しく書かれています。戦争は避けられたと思えてなりません。この時代はもっともっと勉強することが必要だと痛感させられました。2014/06/16
-
- 和書
- 少年と沼
-
- 電子書籍
- タブロウ・ゲート II プリンセスGO…