出版社内容情報
愚鈍、放蕩…を覆す決定版評伝。農奴制廃止、宗教問題の解決にあたり科学的知見をもって積極的外交を展開した知られざる王の実像。
内容説明
愚鈍、放蕩、反動…俗説を覆す決定版評伝。農奴制の廃止、宗教的問題の解決、科学的知見をもって航海術にも情熱を燃やし積極的外交を展開した知られざる王の実像に迫る。
目次
真価を認められていない人物、ベリー公
新しい王太子、新しい王太子妃…
長い治世における最後の数年
フランスの状況
権力と身分制社会の危機
操られた国王
テュルゴーあるいは啓蒙的絶対主義
改革と失寵
国王と王妃
取り巻き
ネッケルあるいは貴族的自由主義
外交政治とアメリカ独立戦争の初期
ヴェルサイユ条約
危うい幸福
首飾り事件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空木モズ
1
マリー=アントワネットの夫ことルイ16世の伝記。当時の社会情勢から王の人格までにも触れているので分厚い。通説のような愚者でも、クールサックが構築したような聖者でもない王の姿を描こうとしている。この本に記されている時期は彼の祖父で先代であるルイ15世の治世の要約から首飾り事件まで。それらの中で一番興味深かったのは、アメリカ独立戦争とバイエルン継承戦争、王妃の初妊娠の時期が大体同じというところだった。ものすごくてんやわんやしていた。2017/02/06
もいんちゃん♡
0
以前から関心のあったルイ十六世。ツヴァイクとベルばらのイメージで暗愚で内気な王様のイメージがついてしまったけれど、実は相当頭のいい人物だった。ただ、あまりにお人好しで善良すぎて、激動の時代には向かない人。平時ならいい王様だったはずが、産まれた時代が不幸だった。
印度 洋一郎
0
一般的には、”マリー・アントワネットの夫”として知られるフランス国王の生涯を膨大な資料に基づいて考察。フランスの社会、経済、宮廷、諸外国との関係にも視野を広げてみると、凡庸な暗君という従来のイメージとは随分違う人物像が浮き上がって来る。アントワネットは、悪妻とまでは言わないが、一生懸命に国王の務めを果たそうとしている夫の足を引っ張るようなことばかりしていた”使えない妻”だったらしい。上巻は有名な「首飾り事件」までを追っている。2010/08/01