谷崎潤一郎伝―堂々たる人生

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  • サイズ B6判/ページ数 445p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120037412
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

スキャンダルと逸話にみちた文豪谷崎の生涯。本書は従来の伝説や通説に惑わされることなくその実像に肉迫する本格的評伝である。

内容説明

三度の結婚、妻譲渡事件、人妻との密通、あいつぐ発禁―スキャンダルに彩られた文豪「大谷崎」の生涯を、従来の「神話」に惑わされることなく描き出す。

目次

作家の「誕生」
汽車恐怖症前後
長男としての潤一郎
結婚と支那旅行―大正中期の谷崎
小田原事件―佐藤春夫と妻千代
関東大震災前後―横浜から関西へ
妻君譲渡事件と和田六郎―昭和初年の谷崎
古川丁未子の真実―谷崎第二の妻
「松子神話」の完成まで
谷崎をめぐる人々
『源氏物語』から敗戦まで
京の谷崎―戦後の日々
渡辺千萬子と晩年の谷崎
「女中綺譚」と「犬猫記」
終焉

著者等紹介

小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年生まれ。東京大学文学部英文科卒業、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学に留学。学術博士。東京大学非常勤講師、国際日本文化研究センター共同研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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i-miya

41
2010.09.04 (小谷野敦)1962生まれ。東京大学文学部英文科卒。同大学院比較文学比較文化専攻課程修了。学術博士。ブリティシュ・コロンビア大学留学。(資料提供者) 観世恵美子。P430 (跋文) 本書は、谷崎潤一郎の詳細な年表を作ることから始まった。近親者が死を迎えたような不安。自分自身の死。不安と衝撃。谷崎先生の人生に没入した。幸福と辛く悲しい気持ち。水上勉-目をかけられた一部の人々。弟妹への面倒。東大教授が学生に読ませたくない本・・・。2010/09/07

つちのこ

28
谷崎の生から死まで、丸裸にしたような力作。複雑な家族関係と女性遍歴が谷崎文学の底流を形作るネタとなり、肥やしになったことを改めて実感した。谷崎文学を特徴づけるマゾヒズム、フェティズム嗜好がどのように生まれ、成長し、開花したのかを文学的見地からも掘り下げて欲しかったところだが、さらりと読んでしまえば、谷崎潤一郎は、面倒で偏屈なただの女好きのオヤジにしか映らないところもある意味人間味あふれて興味深い。未公開の書簡もまだ残っているというから、著者の谷崎研究がさらに発展することを期待したい。2022/05/09

パブロ

9
新しい全集が出るんだよね〜。ミルキィ・イソベのカッコいい装幀なんだよな〜。でもクソ高くて買えないよ! ってなわけで、これから文庫でシコシコ読む前の予備知識。一般的な評伝って無味乾燥だけど、この著者の評伝はチロチロと著者の本音が顔を出し、それがとても面白い。女をめぐる谷崎の冒険。そして、家長である谷崎の苦悩。そこから文学へと昇華させる谷崎の貪欲さ。この著者、『川端康成伝』といい、ホント丹念に重箱の隅まで突いて調べるよな〜。その執拗さから浮かび上がる谷崎の巨大さに、ますます小説が読みたくなること必至!!2015/03/25

石光 真

5
面白い。ゴシップOKなのは英米の文芸評論の伝統なのだという。私も一葉の小説より先に一葉の日記を愛読した。文より人のほうが面白いことはある。谷崎については、神経症を克服して文豪になり、最後まで憧れの女性に求愛をしていたという、堂々たる人生ぶりを本書は描くことに成功している。生の作家だから死を恐れたというのもね。著者が男らしい実務家である谷崎先生を尊敬し、丁未子に同情していることに共感できる。松子への失望と諦念という洞察も。その上で、私は読後、谷崎の文への興味も失っていない。頭のいい、模索の作家なんだ。2017/11/26

モリータ

5
こんど京大付近に行くなら春琴堂書店行って、法然院にお参りしてこよ。てか新潮より中公文庫版のほうが由緒正しいのね。阪大におられた宮地裕先生が助手をしてたというのは知らなかった。2012/04/17

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