出版社内容情報
ミーナはあなたの元へ思い出からの伝言を届ける天使 (小川洋子)
内容説明
美しくて、か弱くて、本を愛したミーナ あなたとの思い出は、損なわれることがない―懐かしい時代に育まれたふたりの少女と、家族の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
299
小川洋子の作品にはやや珍しい純リアリズム小説。ポチ子のエピソードにしても、かなり奇想天外ではあるものの、基本的にはリアリズムの枠組みから逸脱するものではない。1972年は、作中にも描かれるようにミュンヘン・オリンピックの年だが、小川洋子にとって特別な思い入れがあったのだろうか。作者は当時10歳。ちょうどミーナの年齢だ。芦屋の洋館を舞台に、岡山からやってきた朋子が過ごす夢のような1年。ある意味では、そこでの日常が描かれるだけなのだが、その時間の彼方に、我々読者もまた静かな郷愁と感動を共にする物語である。2012/11/18
遥かなる想い
254
小川洋子の小説には毒があるのが多いが、本作品は不思議に穏やかな雰囲気を醸し出している。ミュンヘン五輪における男子バレーボール金メダルの話も懐かしい。「ミュンヘンへの道」、私も見ていました。2010/09/11
pino
224
1972年、ミーナと朋子が過ごした一年。邸宅から見えるカバのいる風景。光線浴室。フレッシー。風変わりな逸話の数々は外国のおとぎ話を想わせる。それは、大概、悲しく悩ましい。家族たちは抱える思いを品物に変え、そっと仕舞っている。鏡台の引き出しに、机上に、ベットの下に。静かな毎日に流れる不穏な気配。だが・・。この年は、オリンピック、ジャコビニ流星群に湧いた。歓喜と喪失感。そして、役割を果たし終え旅立つもの。1972年は後のミーナに答えをくれた。マッチ箱の最後の物語。天使の裁縫箱。ポチ子。みんな欠けてはいけない。2013/05/21
風眠
216
「全員揃っている。大丈夫。誰も欠けてはいない。」家庭の事情で1972年から一年間、親戚宅で暮らした朋子がつぶやく。見つめる手元には、親戚一家と写した記念写真。ひとつ年下のいとこ・ミーナと過ごした特別な日々の思い出。芦屋の邸宅で裕福に暮らしている一家にも、表面には出てこない事情があって、必ずしも白黒がつけられる事ばかりではないと知ってゆく朋子。少女の頃をロマンチックに回想しながら語られる物語の中で、カバのポチ子がいいアクセントになっている。と同時に、幻想的なノスタルジーを連れてきてくれる存在のようでもある。2014/01/19
紫綺
164
ゆっくりゆっくり、でも確実に時は過ぎ、想い出は降り積もる。岡山から家庭の事情で芦屋の伯母の家に預けられた朋子と、喘息で病弱な年下のミーナとの温かいお話。心穏やかになれる名作。2015/10/23
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