出版社内容情報
儒教とともに中国人の日常的な精神生活に深く浸透している道教とはいかなる宗教か? 複雑にして多岐にわたるその実相を説き明かす。
内容説明
道教がわかれば、中国のことはまるごとわかる、と魯迅は言った。中国は儒教の国だと、多くの日本人は漠然と考えているようだが、欧米の人々にとって、中国は「タオ(道)」の国である。街角の書店で『論語』の英訳や仏訳は見つからなくても、『老子』なら手に入れることができる。そして香港、台湾、東南アジアの華人街を歩けば、道教が人々の心のよりどころとなっていることを実感させられる。そこでは道教こそが生き生きとしているのである。道教がわかれば、『三国志演義』『西遊記』『封神演義』等の小説を読む楽しみも、倍加するにちがいない。
目次
道教をめぐるQ&A
第1章 さまざまな神々を祀る宮廟
第2章 仙人たちの姿と伝記
第3章 房中術・導引・禹歩―道教に取り込まれる古代の方術(1)
第4章 呪言―道教に取り込まれる古代の方術(2) 呪語「急急如律令」を中心に
第5章 呪符―道教に取り込まれる古代の方術(3)
第6章 煉丹術の成立と展開―外丹の場合
第7章 道教と医薬
第8章 道教の歴史
第9章 日本文化と道教
第10章 現代の道教と気功事情
著者等紹介
坂出祥伸[サカデヨシノブ]
1934年、鳥取県に生まれる。大阪外国語大学中国語学科卒業、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。関西大学文学部教授を経て、同大学名誉教授。中国哲学史専攻、文学博士。日本道教学会前会長・理事、人体科学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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