出版社内容情報
彼女を愛してはいけないのか。異形なのは彼女か、それとも我々か?新世代カタルーニャ文学が世界に問う。
内容説明
解放の闘いの夢破れた青年は、絶海の孤島での勤務に志願する。世界の果ての地で彼が体験したのは、想像もできないものとの遭遇だった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
63
夢破れて絶海の孤島へと赴任した主人公。ただその孤島の灯台には謎の男が住み、そして初めての夜にある出来事が起きて…。というストーリーで、カタルーニャ文学という響きからもっと重々しい内容を想像していたのだが、サバイバルホラーじゃん、コレ。主要登場人物は三人、助けの来ない絶海の孤島でのサバイバルと想像より遥かにエンターティメントしていた。かというと男との関係とか「敵」との交流とか最後のシーンの余韻とか、どこが寓話めいた一面も存在する読み心地。深読みしようとしたらいくらでもできるけど、読んでいて楽しめる一冊。2020/11/13
キムチ
48
カタルーニャの大事件!本書刊行。フランコの死によって漸く始まった民主化、だが道のりは遠く遅々として進まず。先日漸く独立宣言を打ち上げた。本書にカタルーニャは全く現れず、舞台はアイルランド。灯台を守る彼は毎夜のように襲ってくる怪物と戦う。対立する前任者バティス、怪しい生物シタウカ、性的奴隷のアネリス。バティスの退出、「強者はいつまでも強者であるとは限らない」そして常に非人間的であるとは限らないと述べる。多面的な登場人物を描くことでヒトに内在する葛藤を浮かび上がらせる何とも奇妙な寓話。2018/01/20
mejiro
12
主人公は争いの絶えない祖国を離れ孤島に辿りつく。島に上陸した夜、彼は何者かに襲われる。サバイバルものと思ってたら、意外な展開で印象が変わる。緊迫した戦闘と平凡な日常生活の営み、語り手の思索が不思議と調和してる。マスコットの奇妙な存在が彼らの関係に影を落とす。侵略と抵抗、孤独や愛、他者との対立や交流などテーマは奥が深い。あと驚いたのは、これがカタルーニャ文学ということ。日本の翻訳文化はすごい。自力では出会うことすらなかった本を読めるのは本当にありがたい。 2019/06/11
ペペロニ
7
舞台は南極近くの小さな孤島。主な登場人物は、孤島へ派遣された主人公、灯台に住むバディス、そして異形の存在。たったこれだけ。命をかけたホラーっぽいが、生と死、他者との分かり合えなさ等の色々勝手に解釈できるテーマもある気がした。2021/10/14
yukinden
6
衝撃の作品!と聞いてこの読書メーターをきっかけに手に取ったカタルーニャ(サッカー好きにはまずバルセロナが思い浮かぶ…)の作品。確かに、始めのあたり得体の知れないものを描くあたりはラヴクラフトっぽいというのはわかる(インスマウス?)感想とは言え、ネタバレするとこれから読む人に悪いのであまり書こうにも書けない。設定としては、南氷洋近くの絶海の孤島という閉鎖的空間に限定するのは、古典的手法(その方が話しを進めやすいのだろうか?初長編の作品らしいし…)か。衝撃と言えば衝撃(個人的には期待しすぎたが)。無限?ループ2011/08/28
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