内容説明
俳句の作られた場所に立って口ずさむと、句がいきいきと輝く。周辺を歩けば、句が生まれるときの気配に気づく。変貌した東京の現代的な景観に、今はない風景を重ねあわせるのも、また、おもしろい。
目次
新年(発句也松尾桃青宿の春―芭蕉;ちりひぢの旅装かしこし初詣―竹下しづの女)
春(佃島渡しの跡や鳥曇―石川桂郎;蜆とる浅草川や春寒し―岡野知十 ほか)
夏(勝鬨橋梁撥ね上りたり炎夏―永井東門居;蝙蝠や竿鳴らし追ふ雨催―富田木歩 ほか)
秋(菊の花咲くや石屋の石の間―芭蕉;焼けて直ぐ芽ぐむちからや棕櫚の露―永田青嵐 ほか)
冬(みな出でて橋をいただく霜路かな―芭蕉;年の瀬や水の流れも人の身も―其角 ほか)