内容説明
谷崎潤一郎と中国の関係は深い。大正期には、大陸を舞台とするエキゾティシズム溢れる小説を発表し、二度にわたって中国を旅した。郭沫若、田漢、欧陽予倩といった文学者とは、気のおけない仲となった。ところが、中国の風俗物産への憧憬を語る谷崎の作品には、また一方で、中国を発展の可能性のない停滞した老大国だとみなすオリエンタリズムの言説が満ちている。本書は、谷崎潤一郎の中国観の形成と変化を、作品や旅行体験、中国の知識人との交流などから読み解いてゆく試みである。
目次
第1章 「支那趣味」の誕生
第2章 文壇に出るまで
第3章 オリエンタリズムの受容
第4章 「印度趣味」「支那趣味」の言説を読む
第5章 第一回中国旅行
第6章 第二回中国旅行
第7章 中国人文学者との交流
著者等紹介
西原大輔[ニシハラダイスケ]
1967年、東京都に生まれる。筑波大学比較文化学類卒業。1992~93年、シンガポール国立大学日本研究学科ティーチング・アシスタントを経て、96年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、駿河台大学法学部助教授。学術博士
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感想・レビュー
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青
0
丁度、郭沫若や周作人などの中国文人と谷崎や芥川などの大正時代の作家の関わりについてレポートを書こうと手に取ったのだが、とても参考になる内容だった。特に六章からは流石の読書量と言わざるを得ない程他にない充実度で、参考文献を探す手掛かりにもなる。2012/07/07
Bukowski
0
「読んだ本」としたが、第一章までしか読まず。タイトルから谷崎について的な内容かと思い、借りてみたものの自分のイメージしてたものではなかった為。何故か近所の図書館は谷崎の書いたものが少なく「谷崎」がタイトルに使われているものが多い。谷崎の小説の内容には何度かうならされたが、彼自身についての知識はほぼなく、一冊くらい読んどいてもいいかな、くらいな考えだったのだが。挫折。2011/10/06
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