出版社内容情報
近藤勇、土方歳三、沖田総司、斎藤一から妖しい前髪の美剣士や薩摩の間者……混沌たる状況を切り、斃れていった隊士一人一人の哀歓を冴え冴えと浮彫りにする名作。新装改版愛蔵版!
内容説明
混沌たる時代を切り開こうとし、斃れていった隊士たちの哀歓。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
23
昨年、念願の司馬遼太郎記念館に行くことができ、何か記念にと、グッズコーナーを眺めていると、『新撰組血風録』のハードカバー版があったので「これはめずらしいかも」と購入。結果的に、文庫ではなく単行本で読めてよかったと実感。この小説に限らず、司馬遼太郎は歴史との距離感がいつも絶妙だ。「山崎はなぜこんなことを言ったのか、筆者にもその気持ちがよくわからない。わからないままに、書きとめておく。」そんなふうに突き放す。事実、司馬のその距離感は、乾いた文体に非常によく表れている。(つづく)2015/12/02
もくたつ(目標達成)
17
司馬遼太郎の本は面白いのに、なぜかいつも読むのに時間がかかる。迷うことなく人を斬り、不手際があればすぐに自らの腹を切る新撰組の隊員達。子供が生まれた者が、妻と子供のために命が惜しくなり戦いでの動きが鈍ると、無様だとして斬る。そんなことをする必要があるのだろうかと思いながら、そんな者達の働きと尊皇攘夷を唱える者達の働きで世の中が動いていたのも事実。新撰組が歴史を作るのに一役買っているとしても、簡単に人が死ぬことが素晴らしいことだとは思わない。2016/02/22
ここぽぽ
16
面白かった。新撰組の内情と人間模様が濃くて、新鮮だった。日常の一面が垣間見えるところは微笑ましいと思う。 古い時代の厳戒な鉄の掟は残酷で、粛正によって、士気があがっていたのか?疑問。「燃えよ剣」は未読なので、シリーズものですが、挑戦したいです。2025/05/25
ことらいおん
8
トリ頭が幸いし、高校生の頃読んだ記憶はさっぱり忘れていたので新鮮な感覚で読めて良かった(笑)血風録といいながらもあまり血生臭くない「沖田総司の恋」が一番好きなエピソードだった。ひょうひょうとして掴み所がないような沖田の見てはいけない内面を垣間見てしまった気持ちになる。やりきれない気持ちで滝の下に佇む情景が心に残る。「前髪の惣三郎」はなんとも色っぽい描写だった。ホントに男が書いた小説かと不思議だった。2011/12/17
tanta
7
あ~しみるぅ~。司馬遼太郎も、新選組も、やっぱりいいなぁ!高校生のとき一度読んでるはずだけど新鮮でした。人情ものあり、恋愛ものあり、腐女子も垂唾のBL(!)あり、と話の内容は濃いんだけれど、淡々とした語り口ですっと入ってきます。あーおもしろかった!2013/04/19