出版社内容情報
決戦の日はいつか?彼らはどこに来るのか?圧倒的な敵兵力に最悪の事態を予期しつつも,命令の下で勇敢に闘った戦士たちを克明に描くドイツ側から見た『史上最大の作戦』の記録。
内容説明
彼らは来た決戦の日はいつか?彼らはどこに来るのか?ノルマンディーの沃野で、最悪の事態を予期しつつ最後まで勇敢に闘った戦士たち。第二次世界大戦を決した苛酷な戦いのドキュメンタリー。
目次
第1章 憂慮
第2章 血のオマハ、しかしヒトラーは陽動作戦だと思っていた
第3章 のがしたチャンス
第4章 ティリーの戦闘
第5章 第五日政治的幕間劇
第6章 シェルブールの戦闘
第7章 カーンとサン・ローの間
第8章 大包囲戦
第9章 終りのはじまり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
21
62ノルマンディー上陸作戦をドイツ軍側から語られています。この前に読み終わったグデーリアンの本ではロンメルの軍の配置は間違っているとされていました、けどこちらの本は従来通りロンメルは正しい派です。読み終わって思ったのはどちらの案でも無理だったのではないかです。完全に制空権を奪われ容赦ない空襲でドイツは多数の戦車と複数の将軍を殺され指揮官を失った部隊は混乱して迷走する内に壊滅してしまう。連合軍の偽情報と自分達で行った無線封鎖が混乱に拍車をかけ部隊間の連携も取れず次々と敗走する。ヤーボを抑えられれば可能性が2019/04/21
鐵太郎
6
D-Day ノルマンディー上陸作戦から80日間の西ヨーロッパの攻防戦を、主としてドイツの側から描いた名作。この激烈な時間を兵士たちはどう戦い抜いたのか。一部、出版後の上陸作戦50周年による改定があるそうだが、松谷先生のきびきびした訳とその文体を継いだ新訳が読みやすい。名高いロ元帥やル元帥よりも、ジャガイモを潰したような顔のバイエルライン将軍や撤退の最後尾に立った第7軍司令官の老ハウサー上級大将、第84軍団司令官エルフェルト将軍などの姿の方がよほど印象的。ドイツ軍がいささか格好良すぎるけどねw2014/11/04
harass
5
パウル・カレルのノルマンディー上陸作戦もの。ドイツ軍側からの視点で書かれている名著。 ノルマンディー上陸作戦からパリ解放までの戦いを記述しています。 ドイツ軍は補給もなく、制空権を完全に失い、夜に移動するしかない状態で戦いを続けます。アメリカの物量作戦とそれを管理する能力に歴戦の兵士や最強の戦車もなすすべなく破れていきます。 「勇気と血から物量と汗」という戦争の形態が変化したことを身を持って痛感したドイツ軍にとって、完全な崩壊の始まりで遣る瀬無い戦いばかりが続きます。2011/04/15
げんさん
4
新訳の部分が追加されたせいか、新鮮な感じを受けた(最も、前版の内容をしっかり記憶している訳ではないが)。ノルマンディー上陸作戦を、ドイツ軍側からの視点で描いたものは少ないので、貴重な存在。圧倒的な連合軍の空爆、艦砲射撃下では有効な作戦行動など不可能で、やはり、上陸当日に海に追い落とすことができなければ、敗退は必至だったのだろうと再認識。2013/06/30
歯痛軍曹
4
この本は第二次世界大戦の終わりの始まりであるノルマンディー上陸作戦をドイツ側から見た一冊です。連合軍はあらゆる物量でドイツ軍を圧倒し、とりわけ情報の正確さと制空権の絶大優位をもってドイツ軍は敗北したと著者に認めさせています。その一方でドイツ側にも勝機があり、それは他の戦争にもある偶然によって度々失われていたことも記されています。敗北し徐々に後退して行く中にも粘りと勇気ある戦闘をもってなんとかこの事態を打開しようとしたドイツ兵の勇敢な祖国への奉仕は敗戦国であったとしても賞賛されるべきだと私は考えます。2011/11/29
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