内容説明
ラジオ局の記者ミケーラの隣人が惨殺される。取材の過程で浮き彫りになる、無残に流された女たちの血。彼女たちの嘆き、訴え、怒りの声に潜むものは…。イタリアを代表する女性作家が描く、告発のミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いくたやよい
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モラヴィアの長年のパートナーであったイタリア女性作家の第一人者ダーチャ・マライーニ作。 ローマに生きる現代イタリアの人間がミステリータッチでよく描かれている。女性が被害者になる犯罪を番組で追及する若い主人公ラジオ記者にダーチャ自身を見て、日本のフェミニスト読者もきっと強い共感を覚えるだろう。女性の蔑視、差別から発生する対女性犯罪事件に日々さらされ、同根の問題を抱えているこの国に住む私たちには、この小説の主題はひとごどではない。この主人公に会いたい、声を聞きたい、と思わせる魅力的な女性ミケーラ・カノーラ。2015/09/30
shippo3notikara
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犯罪事件をテーマにしたミステリー。イタリアの現在の犯罪事情を盛り込んで、なおかつ社会背景も描かれている。 主人公はローマの小さなラジオ局で働く女性記者。あらゆる声に囲まれて仕事をしている。 そして、自分の隣人に起きた事件を追うため、「声」を追って明け暮れるようになる。 誰もが彼女に訴え、信じてくれるよう訴える。 誰を信じればいいのか? まさにミステリー。2012/12/16
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