トマス・クック物語―近代ツーリズムの創始者

ブレンドン，ピアーズ【著】〈Ｂｒｅｎｄｏｎ，Ｐｉｅｒｓ〉/石井 昭夫【訳】

中央公論新社（1995/08発売）

• サイズ B6判／ページ数 602p／高さ 20cm
• 商品コード 9784120024801
• NDC分類 289.3
• Cコード C0026

内容説明

旅行業の創始者トマスとクック社発展の牽引者ジョン。一族の苦闘と相剋の歴史、そしてのこされた巨人企業の事績を克明に辿る大作。

目次

観光の誕生
使命感に燃えて
スコットランド・ツアー
エクスカーションのナポレオン
英国人（ジヨン・ブル）外国へ
クック・アンド・サン
エジプト、そしてさらに遠く
世界一周
クック、サン・アンド・ジェンキンズ
エジプトの王様〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[もえたそ]

観光の歴史としても、トマス・クック社という企業の歴史としても、トマス並びにジョン父子の伝記としても非常に面白い。観光資源化されることにより未開の土地が取り上げられ近代化すると同時に、消耗し疲弊してしまうという現在の観光においても見られる問題が観光の初期、それもトマスが1841年に初のエクスカーションを行った頃から存在していたことは観光を取り巻く問題について考える上でとても示唆的である。また日本語版に寄せた原著者の序文も素晴らしい。こんなに面白いのに読者数が少ないのはこの厚さ故だろうか。

2014/10/06