内容説明
スペイン内戦に熱狂し、独ソ不可侵条約に幻滅した30年代。左傾化が西欧インテリの思想風俗となり、戦後日本が範として10年間。時代心理を描き、「戦後日本」を総決算。
目次
序章 フリードリッヒ大王の猿―30年代知識人と動機の文法
第1章 レフト・ブックとレフト・マーケット
第2章 幻想と裏切りの文体―ジャーナリズムと下部構造
第3章 愛しの大義―スペイン内戦と知識人のサンタクロース
第4章 舞台の上の亡霊―ラスキにおける恥と勲章
終章 戦後へ(歴史と救済;そして日本―60年安保紛争のころ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
JVSTINVS
2
これは非常に読みにくい。かろうじて、わたしはスペンダーやスノーという名前くらいは聞いたことがあり、オーウェルやハクスリー、オーデンは原文で読みかじったくらいの、自称真面目な英文学徒なので、なんとなくわかるのだが、そうでもなければ、こういう衒学にはついてけません。2023/08/14
nranjen
2
図書館本。ラスキについて述べられていると思って借りたら、そういうわけではなく、残念ながら期待はずれ。たしかに他の方が指摘されているように文章が、昔はあり得たんだろうなという感じの文章。反面教師的に読んでよかったかもしれない。2020/10/07
バルジ
0
1930年代のイギリス知識人界の「左傾」を分析した一冊。著者は別の本でこの書を「反動的と評された」と述べているが、確かに全体的を通して"進歩的文化人"に対して冷やかであり、時に痛烈に批判しているのでそう評されても仕方がないと納得した。文章が読みにくいのが難点だと思う。2017/02/15