内容説明
長く外交団夫人の首席を務めた公使夫人の14年にわたる日本滞在記。日清・日露の両戦役に勝利し、条約改正を実現して日英同盟締結に至る、躍進する明治日本の政治・外交、社交界、文化・風俗の貴重な記録。
感想・レビュー
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本の蟲
8
恥ずかしながら明治におけるベルギー王国との外交・交流をあまり意識したことはないが、元々は江戸時代から貿易していたオランダからの独立国ということもあって古くから縁がある。著者の夫であるダヌタン公使は17年在日し、そのうち7年間は駐日外交団の首席を勤め、とかく誤解されがちな日本と各国との仲介、橋渡しをしてくれた。夫人もまた社交界の中心であり、新任の駐日大使夫人を皇室や閣僚夫人へと引き合わせ、紹介する役割を負っていた。そのため日本とベルギー以外の国との晩餐会や行事でも、夫妻は招待されることが多かったようだ(続2022/01/23