内容説明
異常と正常の間を壁でさえぎれるだろうか?つとめて患者の生活の中に溶け入り、異常のうちに正常を見、正常のうちに異常を見る独特の診断と、あくまでも人間的な治療法を追求したある精神科医の24年間の苦闘の記録。
目次
第1章 デイルームにて
第2章 虎の門病院と私
第3章 内科との混合病棟
第4章 私の診察法
第5章 ある「うつ病」の症例
第6章 患者を下宿させた話
第7章 スペキュレーション
第8章 拒食症と出社拒否
第9章 不眠とアルコール
第10章 ナースの休憩室にて
第11章 患者からの手紙
第12章 ある東大浪人生の話
第13章 躁病患者の話
第14章 念力と共時性
第15章 息子の眼の話
第16章 患者からの贈り物
第17章 患者と暴力
〈付録〉宇都宮病院事件―医師自身の問題として
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
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施設内虐待に厳しい目が入り、高齢者施設では「拘束ゼロ宣言」をするのが当たり前になっているに関わらず、精神病院で、逆に拘束件数が増える現状にある中、30年近い前の本を再読。巻末に「<付録>宇都宮病院事件――医師自身の問題として」を収録。当時、ここに惹かれ購入。【共感】「精神科の患者は、治療者を巻き込むような魔力をもっているものである。患者に同化して、患者の声なき叫びに耳を澄まし、患者の気持ちになればなるほど、同時にその患者に巻き込まれる危険も大きくなるものである」。その通り。ここは今も治療者側の留意箇所か。2019/11/27
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