チャイコフスキー・コンクール―ピアニストが聴く時代

チャイコフスキー・コンクール―ピアニストが聴く時代

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  • サイズ B6判/ページ数 265p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784120017421
  • NDC分類 760.7
  • Cコード C0073

内容説明

中村紘子がピアノの最前線で書いた音楽への熱い想い。世界的大コンクールの審査員として、これまで触れられることのなかったその舞台裏を描き、国際化時代の音楽の現状と未来をあざやかに洞察する、初の長篇エッセイ。

目次

スーパースターの誕生
神童からコンクールの時代へ
コンクールが始まる
採点メモから
長期戦における兵站の話
ランダルたちの運命
女性ピアニストたち
「ハイ・フィンガー」と日本のピアニズム
なぜバッハをショパンのように弾いてはならないのか
コンクール優勝者が多すぎる
コンクールの時代のクラシック音楽

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Totchang

9
「例えば、モーツァルトの演奏とラフマニノフにおける演奏とでは、打鍵の指の角度、深さ浅さ、手首の高さ低さ、力の入れ方抜き方、更には全身のピアノへ向かってのフォームまで、必然的に異なってくる。」全くの素人の私には想像もつかない世界が繰り広げらました。氏の亡くなられた後に私が購入したCDは1990年5月に東京と大阪で録音された(スヴェトラーノフ指揮、ロシア国立交響楽団)、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番のカップリングです。この場を借りて哀悼の意を表します。2016/12/28

moonanddai

7
(バブル絶頂期の、と言っていいのか、それがはじけた今でもと言っていいのかわかりませんが)世界のそして日本のクラシック界ピアノ界の状況を楽しく読ませていただきました。ホロヴィッツやミケランジェリのエピソードは笑えます。コンクールそのものも絶対的な評価ではなく、あくまで相対的なもので、そこには運というものが大きく左右するということもわかりました。これもクラシックの「伝統を守る」というより、(よく言えば)裾野の広がり、(悪く言えば)大衆化により「ピアニストが多すぎる」ことからつながっているとのことのようです…。2021/02/03

黒豆

7
1988年という古い著作ではあるが、チャイコフスキーコンクールの審査員としての裏事情など興味深い内容満載。例えば、旅費が出るためツアーとして参加する人(主にアメリカ人)、途中で演奏を止めてもらう事はないが止めてもらった日本人、飛び抜けた人がいない時の人選の難しさ(2位も20位も大差ない)、そしてコンクールとは関係ないが大家リヒテルとホロヴィッツに関するコメントが興味深い、やはりホロヴィッツは演奏も私生活も特別のようだ。ちなみに私の宝物は幻想ポロネーズのライブレコード。2016/08/18

新平

4
手元にある一冊には「本年度大宅賞受賞」の帯は健在、奥付を見ると1989年3月発行の11版。当時読んで一番印象に残ったのが、ピアノ曲がショパンに至るロマン派を頂点とするのは、ピアノという楽器がその時代に飛躍的に進歩し、作曲と演奏と楽器が一緒に完成されたからという内容の部分だった。1986年6月に開催されたショパンコンクールが題材なのだが、まだソ連が存在していて、表彰式にはペレストロイカちうのゴルバチョフ大統領も参加したとのこと。 チェルノブイリもこの年の4月で、こっちは人間が技術についていけないにも関わらず2016/07/30

そ吉

3
1982年第7回チャイコフスキーコンクールの審査員を行なった際の記録。だが、基本は現在(1980年代後半)の日本におけるクラシック音楽教育に関する論評となっている。 コンクール中のエピソードなどは、中にいた当事者ならではのリアル感があり審査員間の私的な会話やメモの中身まで事細かに書いている。少し暴露もの的な感じはするが、西洋を中心とする当時のクラシック界の一つの考えがよく分かるが、今日、非西洋の国が数多のコンテストで台頭するのを予兆しているようだ。★★★☆☆2025/04/16

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