内容説明
1967年、ロンドンのウェストミンスター寺院の地下で王家の埋葬室が発見され、同時にメアリ・スチュアートの柩も確認された。ついにイングランドで王位に就くことなく、エリザベスの命令によって斬首されたメアリは、大勢の子孫とともに葬られ、現在もその直系である英国国王の戴冠式を地下から見守っている。病弱の身にも拘らず、不滅の信仰によって、自らの意志に背き続ける宿命に、力強く対峙した女王メアリ・スチュアートの転変の生涯を流麗に描く。
目次
第1章 若い女王(みんなの嘆き;乱暴な求婚;婚約;皇太子妃;フランスの白ゆり)
第2部 親政(スコットランドの国情;慈悲深い支配者;ハントリーの没落;官能的な結婚;寵臣リッチオ;ダーンリーの殺害;ロッホレーヴェン)
第3部 捕囚(外国の手に落ちて;逆境が与えるもの;バビントンの陰謀;裁判;悲しい一撃;エピローグ―地球という舞台)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mana
4
ふたりの女王メアリーとエリザベスを見て復習に。前に読んだ時の印象より、著者はメアリーを高く評価してた。そして、映画の細かいエピソードが本当に史実通りだったことが分かる。この著者は小説仕立てにするのではなく、当時の文献や書簡を引用して解説していくスタイルなので、物語としては細かすぎて読みにくいけど信頼性という点では信頼できる。2019/03/29
紫草
2
難しかった。私の知識不足、理解力不足のためですが、翻訳の文章もちょっとわかりにくかったです。また、訳者あとがきによると、文献目録や人名、地名、事項索引等が割愛されてるようですが、人名索引だけでもつけておいて欲しかった。メアリ・スチュアートは、お芝居や小説になってる有名人だけど、なんだか悲劇の女王らしいとしか知らず、興味があったのです。日本の皇位継承争いと違って、ヨーロッパのたくさんの国や宗教がからんでるので、複雑ですね。今度は、メアリ女王と対比されるエリザベス1世についても、読んでみたいです。2015/06/19
ザッハトルテ
0
人生の半分をイングランドで囚われの生活で、最後にエリザベス女王に処刑されたスコットランド女王メアリの子孫が現英国王室に続いているという皮肉。2016/10/17