内容説明
欧米の未発表史料、幕府隠密の報告までも駆使して幕末の動乱を活写する渾身のライフワーク。木戸孝允の生涯を描く、2800枚の歴史大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saku
3
小説という体裁をとっているものの、実際の中身は膨大な資料を駆使し知識を詰め込んだ伝記です。ドラマや小説では一方的に悪役にされやすい長州や桂小五郎ですが彼らがどうして攘夷や討幕に走らざる得なかったのかが分かります。2012/08/20
ゆきえ
3
見た目にもびびるボリュームと(上巻だけで712ページ)初出が生まれる前のことなので読み切れるかと心配だったが読んでみると思いのほか読みやすい文章だった。読んでも読んでも終わらないと思ったけれど。特に頭のほうは幕末の桂小五郎の話というよりはここに至るまでの世界と日本の歴史があっちに飛びこっちに飛び語られるので興味を持てないととっつきにくいかもしれない。それも含め興味が持てればとてもおもしろく読めると思う。それにしても桂という人はほんとに苦労性の人だなとしみじみ。ようやく薩長同盟も成りそうで下巻も楽しみ。2011/11/02
どぐりん
2
【図書館】幕末について充分な知識がないまま読んだので、詰め込まれた膨大な情報をさばききれずにあっぷあっぷしながら読みすすめた。長州藩の(武士らしからぬ)金の貯め方などの説明を読んでいると、「逃げの小五郎」などと揶揄されながら幕末の動乱を生き延び、廃藩置県という、当時としては驚天動地だったであろう案を実現してのけた木戸孝允は、この藩だからこそ産まれ、活躍の場を得られたのだろうかと思う。幕末周辺について勉強してから、改めて読みなおしたい。2013/05/06
taxee
1
醒めた炎という題名に惹かれて手にした作品。幕末といえば、坂本龍馬、西郷隆盛、大久保利通の印象が強い中で、維新三傑の残り1人について描かれた物語。そう言えば、昔、ハッピーマンという漫画も桂小五郎が主人公だったことを思い出した。あっちはかなりコメディタッチ(そしてちょっとエロタッチ)な人物像ではあったが、こちらは幼少の頃の経験が人物形成に影響を与えた書き方で、より落ち着いて読むことが出来る。この人物が健康であれば、西郷隆盛を止める事が出来ただろうか。
花曜
1
http://job-books.at.webry.info/200912/article_4.html 木戸孝允・桂小五郎本の最高峰