感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TheWho
18
数十年振りの再読。ローマ人の物語に出会う前で、著者初読みであり、その後塩見作品に嵌った切っ掛けの作品。西ローマ帝国が滅亡し暗黒の中世を迎えた5世紀に身の安全を守るべく沼地の潟に移り住んだ人々が建国したヴェネチア共和国の1千年に亘る盛衰記。なぜ彼らは海に出掛け交易を主体としたのか?同じ交易国家であったジェノバやピサ、アマルフィが早々と衰退したのにヴェネチアのみ長きに亘り繁栄し続ける事ができたのか?等の問を包括しながら展開していく。久々に読んでもとにかく面白い!塩野節を堪能した。2022/07/16
ようはん
17
中世初期に異民族から逃れた人々が湿地帯にヴェネツィアを建設する始まりからルネサンスの時代辺りまでの紆余曲折。同じ中世期のヨーロッパ社会の中では王侯貴族の封建社会ではないヴェネツィアの体制は異質という印象で最大のライバルであるジェノヴァとの比較や商業・戦争両面での息詰まる死闘と14世紀後半の滅亡直前の状況から巻き返した組織力の強さも印象深く残る。2020/12/13
橋川桂
9
「十字軍物語」の方で、詳しくはこちらを、と幾度か書名が出ていたので興味を持った。「十字軍物語」や「ローマ人の物語」より、2~30年前の著になるので、文体の若さとか固有名詞の表記ぶれ(出版社が違うせいもあるのか)とかもあるけれど、気になるというほどじゃなく、やはり面白い。2018/01/02
空飛び猫
8
ヴェネチア共和国の繁栄のわけ。政治と経済のあり方。2017/04/28
蓮
7
ずっと読みたいと思っていた塩野さん。出口治明さんの新書に紹介されていたのをきっかけにようやく読めました。あまりに面白くて、まさに物語を読んでいるよう。大学でフランス史を専攻したけれど、これを読んでいたらイタリア史に惹かれていたかもしれません。ヴェネツィアという国家が、生き残り、繁栄の道を模索する一個の生命体のように感じました。根拠が示されていなかったのがちょっと残念でした。2020/01/12
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- 和書
- 現代議会制の憲法構造