感想・レビュー
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yuzi
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明治生まれの動物生態学者・川村多実二が戦後すぐに出版した『鳥の歌の科学』の復刻本。想像するしかない遠い昔のことが、昭和後期の装丁の本につい最近のことのように書かれているのが面白い。7つの題が全29小話で構成されており、専ら鳴き声について記述されているが、抑揚やリズム、イントネーション等がわからないのが惜しい。挿絵も少ないので、図鑑やネット検索をしながら読まないと鳥と鳴き声が一致しない。ただ、当時の鳥声を楽しむ文化についてもいくらか書かれており、レコードのない時代の余暇の一つであったことが想像できて趣深い。2025/05/07